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<本郷遺跡>巨大な柱穴発見 郡役所の一部か

本郷遺跡で見つかった巨大な柱穴。周囲に黄色と黒色の粘土を積み重ねたしま模様が見える=白石市堂場前

 宮城県白石市教委が発掘調査しているJR白石駅前の本郷遺跡で、奈良時代から平安時代前半とみられる巨大な柱穴が発見された。大きさや施工法から、役所や寺院といった大型の建物跡の可能性が高い。市教委は「白石だけでなく、東北の古代史を解明するための重要な発見」と意義を強調する。
 発掘調査は駅前広場から北へ延びる市道の拡幅工事を前に、今年7月から調査区3カ所の計約120平方メートルで実施。うち1カ所から掘っ立て柱建物跡の柱穴が一つ見つかった。柱穴は2メートル四方、深さ1.5メートル以上とみられ、直径約45センチの柱を立てていたと推定される。
 柱の周囲に黄色と黒色の粘土を交互に突き固め、強度を高めている。同じ場所で2回建て替えた痕跡があった。柱穴の隣の調査区では、掘っ立て柱と直交する形で1列に並ぶ河原石も出土した。
 当時の白石地方は陸奥国苅田(かった)郡に属していたが、史料は少ない。本郷遺跡から北に約500メートル離れた大畑遺跡では、郡役所の関連施設で「正倉院」と呼ばれるコメの倉庫跡が6棟確認されている。
 市教委の日下和寿学芸員は「まさかこんな場所で」と驚く。「郡役所に関係する権威ある建物跡に間違いない。規模は相当大きく、陸奥国府の多賀城跡、仙台の郡山遺跡など、県内の古代史に影響を与える可能性がある」と指摘する。
 発掘調査は今月下旬までの予定。別の調査区では北東北や北関東で作られた大量の土器などが出土し、飛鳥時代前半に形成された大集落のごみ捨て場とみられる。

◎広がり興味深/県多賀城跡調査研究所の須田良平所長の話

 現地を2回見た。当時の中央政府に関係する施設と思われ、苅田郡を治める中心地域だったことが分かる。大畑遺跡を含め、どのような広がりがあるのか興味深い。多賀城との関連性も当然あるだろう。中央政府による東北地方での管理の一端を知る上で貴重な発見だ。


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2016年12月15日木曜日


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