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<山形蔵王>樹氷危機 キクイムシ食害深刻

蔵王山系で見つかったトドマツノキクイムシによる食害(山形森林管理署提供)
雪原に広がる樹氷群=山形市蔵王温泉の地蔵山山頂付近

 山形市の蔵王山系で樹氷を形成するアオモリトドマツに害虫の「トドマツノキクイムシ」による食害が発生していることが、東北森林管理局などの調査で分かった。2013年に初めて確認したガの一種であるトウヒツヅリヒメハマキの幼虫による被害は収束に向かっているが、関係者らは新たな難敵の出現に対策を迫られている。
 山形森林管理署によると、キクイムシによる被害は6月に把握した。8月に同管理署が蔵王山系の9カ所で現地調査を実施した結果、特にガの幼虫による食害が甚大だった蔵王ロープウエー地蔵山頂駅周辺で被害が深刻だった。
 トドマツノキクイムシの体長は約3ミリ。ゾウムシの仲間の甲虫で、弱ったトドマツに入り込んで栄養のある部分を食べるため、木は衰弱したり枯れたりする。ガの食害で弱った木は害虫を撃退する「やに」の分泌量が少なく、キクイムシの被害に遭うことが多いという。
 一方、葉が変色したり、枝に葉が付かなかったりするガの食害については、蔵王山系の計135ヘクタールで食害が確認されていたが、現在は収束する方向になっている。
 森林管理署などが被害のあった木に活力剤を注入するなどの対策に取り組んだことに加え、ガに寄生する天敵の蜂が自然増殖した結果、ガの発生量が平常レベルに戻ったことが要因とみられる。
 東北森林管理局など関係機関は、ガの食害が激しかった地点の立木状況から自然に再生するのは難しいと判断。人工的に発芽させた種子をまいたり、日照条件を改善させるため若いトドマツの周辺のササを刈り取るなど、試行しながら効果的な対策を見極める。
 山形森林管理署の担当者は「被害区域は国定公園特別保護地区なので、できるだけ人の手を加えずに森林を再生させられるよう取り組みたい」と話している。


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2016年12月15日木曜日


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