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<杜の都のチャレン人>開店10年 知識も熟成

ショーケースに並ぶチーズの産地や味わい方を説明する足立さん

◎フランス伝統チーズの魅力を広める 足立武彦さん(57)

 宮城県内屈指の品ぞろえを誇るチーズ専門店「オー・ボン・フェルマン」を仙台市青葉区上杉に構え、9月で10周年を迎えた。本場ヨーロッパ産の高品質なチーズの特徴を来店者に丁寧に説明し、相性の良いワインも紹介する。
 フランス産を中心に、40〜50種が並ぶ。定番商品の一つが、1000年以上の歴史を持つというコンテ。「熟成期間が長く、ナッツのような味わいがします。フランスのどの家庭にもありますよ」。豊富な知識があふれ出す。
 商品の大半は、NPO法人チーズプロフェッショナル協会(東京)の本間るみ子会長が社長を務める東京のチーズ輸入販売会社「フェルミエ」から仕入れている。
 大学卒業後、仙台市内のみそ製造会社や百貨店のチーズ売り場などで働いた。20年ほど前、山梨県内であった本間さんのセミナーを聴講した際に口にしたチーズが忘れられない。ローズマリーを食べて育ったヤギの乳で作られた希少なもので、チーズ自体もローズマリーの香りがした。衝撃だった。チーズの魅力にのめり込み、本間さんらの著書を読みあさって知識を深めた。約25年間の会社勤めを辞め、2006年に店を開業した。
 店では、チーズとワインの歴史や製造法などを解説するセミナーを毎週のように開く。活動が認められ、10月にはフランスに本部を置く世界で最も権威ある酪農関係者の団体「ギルド・アンテルナショナル・デ・フロマジェ・エ・コンフレリー・ド・サントギュゾン協会」から「ギャルド・エ・ジュレ」の称号を授与された。
 この10年間で、世間は財布のひもが固くなり、チーズやワインをゆっくり楽しむ心の余裕が失われてきていると感じる。「人々がおいしいチーズを食べて豊かな気持ちを取り戻せるようお手伝いしたい」と改めて思う。店名は仏語で「良い発酵」を意味する。店も一年一年、熟成を続ける。(智)

<あだち・たけひこ>59年仙台市生まれ。東北学院大法学部卒。チーズプロフェッショナルやフランスチーズ鑑評騎士、シニアソムリエなど食に関する多くの資格を持つ。青葉区在住。店の連絡先は022(217)2202。


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2016年12月17日土曜日


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