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<あんぽ柿>原発事故乗り越え6年ぶり復活

原発事故で一度は諦めかけたあんぽ柿作り。6年ぶりに再開し、笑顔を見せる大武さんと祐子さん

 冬日を浴び、オレンジ色の柿が寒風に揺れる。伊達市霊山町の上小国地区で、東京電力福島第1原発事故の影響で自粛していた特産の「あんぽ柿」作りが6年ぶりに復活した。
 農業大武秀紀さん(58)は11月中旬、青竹に柿をつるす作業を始めた。じっくり1カ月以上かけて陰干しされ、甘味を増す。出荷は年明けの予定だ。
 「正月気分もそっちのけになる。今まで暇を持て余していたからね」。忙しい日々を取り戻し、大武さんの表情は明るい。
 原発事故後、実った柿が木から落ち、腐っていくのを見ているしかなかった。それでも仲間と地区を回って木を洗浄、除染し、再起に備えてきた。
 農業に憧れて脱サラし、東京都から山あいの集落に妻祐子さん(49)と移り、来年で20年になる。理想郷を思い描いた土地で止まっていた時計が、再び動きだした。
 福島県のあんぽ柿出荷は2013年に再開した。加工・出荷を認めるモデル地区は今季、上小国など13カ所を追加。震災前の産地のほぼ全域で生産できるようになった。(写真部・佐々木浩明)


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2016年12月17日土曜日


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