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<ADRセンター>審理申し立て 仙台2番目

 裁判外紛争解決手続き(ADR)の普及を目指し、仙台弁護士会が2006年4月に設立した「紛争解決支援センター」への審理の申立件数が、過去10年で約1600件に上ることが同センターのまとめで分かった。同じ時期の申立件数としては愛知県弁護士会(2224件)に次いで全国2番目に多い。東日本大震災関連の紛争に特化し申し立てを受け付ける制度「震災ADR」を運用したことが実績を押し上げた格好だ。
 同センターによると、発足以降、申し立ては年間約100件前後で推移。内容は医療過誤などの不法行為事件や不動産の賃貸借事件、職場や家族間の紛争など多岐にわたる。
 転機になったのは東日本大震災。発生直後から無料法律相談などを展開した仙台弁護士会は、被災者が抱える民事トラブルが多発すると予想。発生翌月の11年4月、話し合いによる早期解決につなげようと震災ADRの運用を始めた。
 震災ADRでは被災者の負担を軽減しようと、弁護士が申立人に代わって紛争の要点を記載した申立書をまとめる「申立サポート制度」を独自に導入した。運用期間(11年4月〜14年3月)の申立件数は521件で、同センターが過去10年で取り扱ったADRの約3割を占めた。
 同センターが被災地で培った経験は熊本地震でも生かされた。同センターの弁護士ら4人が今年8月、熊本県弁護士会の研修会に招かれ、震災ADRのノウハウを直接伝授した。震災ADRの流れや申立サポート制度を紹介し、熊本県弁護士会では現在、月10件以上の申し立てがあるという。
 同センターの斉藤睦男弁護士は「仙台独自の申立サポート制度は弁護士の力量が求められるが、仲裁人が素早く紛争内容を把握できるメリットがある。仙台の取り組みは、災害が起きた地域のモデルになるはずだ」と強調する。

[裁判外紛争解決手続き(ADR)]金銭トラブルなど民事上の紛争を裁判ではなく、専門家の手助けにより当事者間で和解を図る制度。裁判や調停に比べ迅速に解決できる利点がある。申し立てから3カ月以内の解決を目指す。


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2016年12月19日月曜日


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