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<アングル岩手>鉄のまちの職人魂 冬暖める

【火花】厚さ4.5cmの鋼板を溶接する。光が青白く輝き、赤い火花が飛び散る。塗装後、南部鉄器製の扉を取り付けて完成。全て手作業のため、1カ月で30台ほどしかできない

 近代製鉄発祥の地・岩手県釜石市で、機械メーカーの石村工業がペレット・まき兼用ストーブ「クラフトマン」を作っている。東日本大震災で津波をかぶった工場で、職人かたぎの男たちが厳しい冬の暮らしを暖かく包む逸品を生み出す。
 クラフトマンは、製鉄所の下請けとして溶鉱炉の修理で培った技術で、分厚い鋼板を加工、溶接して一つ一つ組み立てる。木材さえあれば暖が取れ、煮炊きもできる。電気やガスが止まった震災時は「頼りになった」と喜ばれたという。
 会社は震災で廃業の瀬戸際に追い込まれた。全国から支援を兼ねた発注が相次ぎ、「必要とされていると感じた」と社長の石村真一さん(63)。新社屋を建て、機械もそろえて事業継続を決めた。現在も北海道から鹿児島まで、各地から注文が入る。
 「これからもお客さんに役立つことを心掛け、製品を作っていくよ」。寡黙な石村さんの言葉は力強い。「鉄のまち」で育った男たちの心意気は、ストーブに負けじと熱い。(写真部・佐藤琢磨)


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2016年12月19日月曜日


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