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<山形知事選>対立候補も政策論争も不在

吉村氏が3日の政策発表で配布した資料。具体的な施策や数値目標は現段階では示されていない

 任期満了に伴う山形県知事選(来年1月5日告示、22日投開票)は告示まで3週間を切った。知事選は4年に1度、県政の針路を県民に問う絶好の機会だが、立候補を表明しているのは3選を目指す現職の吉村美栄子氏(65)だけとあって、政策論争そのものが起きていない。吉村氏が発表した政策も、具体像を欠いたスローガンのような内容にとどまる。専門家からは「これまでの県政の総括は乏しく、今後の政策もあまり見えない」と危惧する声が上がる。
数値目標触れず
 山形市内で3日にあった吉村氏の政策発表記者会見。壇上の吉村氏は「今日は概要版ということでご容赦頂きたい」と切り出した。
 報道陣に配布された資料はA4判1枚。(1)県民総活躍(2)産業イノベーション(3)若者の希望実現(4)健康安心社会(5)県土強靱(きょうじん)化−。約30分の説明時間で吉村氏が説明したのは、政策の柱の理念と重要性だけ。具体的な数値目標やどのような事業に取り組むのかといった内容からは懸け離れていた。
 山形大人文学部の北川忠明教授(政治学)は「吉村氏が掲げたのはいずれも大事な政策でバランスも良いが、吉村氏自身でなければ展開できないという独自のものではない」と指摘する。
 吉村氏の選対関係者は今回の政策発表について「公務などが忙しくて内容を詰める時間がなかった」と準備不足を認め、数値目標を含めた政策の詳細を年内に発表するとしている。
 北川氏は「対立候補がいないだけに緊張感はなくなりがち。多くの県民に3期目の政策、ビジョンを聞いてもらう機会を設けるなど積極的な取り組みが必要だ」と情報発信を促す。
 4年前の前回知事選で、吉村氏は告示20日前にA4判22ページにわたる詳細な政策を発表。合計特殊出生率を1.50から1.70に引き上げることや、製造業付加価値額を8625億円から1兆円へ増額することなど、具体的な数値目標を掲げた経緯がある。
評価の材料不足
 結果的に無投票再選を果たした前回。現状ではその公約が守られたのか、達成できなかったのかが吉村氏側から示されておらず、2期目の県政を採点する材料の一つが欠けている。
 数値目標を盛り込んだマニフェスト(公約集)型選挙の実施を提唱する早稲田大マニフェスト研究所の中村健事務局長は「無投票になるとしても選挙は選挙。掲げてきた公約の達成状況について、しっかり説明責任を果たすとともに、次期県政についての公約もしっかり説明してほしい」と注文を付けている。


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2016年12月19日月曜日


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