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<この人このまち>福島密着歴史を演劇で

清野和也(せいの・かずや)1990年東根市生まれ。福島大卒。高校の演劇部で脚本を書き始める。2011年の劇団結成以来、脚本と演出を手掛ける。

 福島市のアマチュア劇団「劇団120○EN」は東日本大震災の翌月、福島大演劇研究会の学生たちを中心に旗揚げした。福島の歴史や民話を基にした作品の公演に熱を注ぐ。代表の清野和也さん(26)も当然、「福島密着」を第一に作品づくりを続ける。(福島総局・阿部真紀)

◎劇団120○EN代表 清野和也さん(26)

 −劇団名は「120円」と読むんですね。
 「自動販売機で缶ジュースを買う感覚で、気軽に演劇を楽しんでほしい。そんな気持ちを込めました。いろんな味の芝居を届けたいから、何度も足を運んでいただきたい。だから入場料は一般が500円、22歳以下は120円です」

 −発足は2011年4月。福島が地震と東京電力福島第1原発事故で混乱していたときです。
 「震災発生時は福島大3年生。演劇研究会の仲間と福島市内で公演中でした。幕は公演終了後に下りるもの。でも、あの公演は中断したまま。幕は下りませんでした」
 「(混乱の中でも)『芝居をもう一度』という気持ちが強く、劇団発足を決意しました。お客さんから『見たい』と声をもらったことも大きかったですね」

 −当時を振り返ると。
 「自分はいつ死ぬか分からないと感じ、無我夢中で毎月、脚本を書いていました。作品を仕上げることが生きている証拠だったのだと思います

 −現在の活動状況は。
 「メンバー15人はいずれも20代。大半は別の仕事をしています。稽古は週に3回で、1回2時間程度。年間で3作品ペースで公演を開いています」
 −重い年貢に苦しむ住民を救った江戸時代の村役人をはじめ、作品は地元の歴史などを基にしています。
 「福島には歴史的な建物や民話があふれ、芝居を見たその足で、ゆかりの地を訪ねられます。住民の方から『こんな面白い伝説がある』と教えてもらって書いた脚本もあります。各地に眠る話を劇にし、多くの人に楽しく知ってもらいたいと考えています」
 「10〜80代の幅広い世代が見に来てくれますが、中でもターゲットは私たちと同じ世代。物語があふれる町を好きになり、地域に根っこを張ってほしいから。作品を通して、そのお手伝いができたらいいですね」

 −今後の目標は。
 「地元の人たちに愛される『街のラーメン屋』のような劇団が理想です。目指す作品の数はやっぱり120本。でも、まずは21作品目となる来年2月の公演に向けて稽古を重ねます」


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2016年12月19日月曜日


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