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<岸田敏志>震災被災者に思い寄せて 歌に

岸田敏志さん
宮城県女川町で今年3月3日に開かれたかえりびなの展示会

 東日本大震災の行方不明者が家族の元に帰ることを願い、宮城県や福島県の被災者が毎年3月3日の桃の節句に合わせて制作、展示している「かえりびな」に思いを寄せた歌「還(かえ)り雛(びな)」が完成した。歌を作った歌手で俳優の岸田敏志さんは「一人のボランティアとして曲を作りました。いつも前を向く被災者の皆さんのことを思っています」とメッセージを送る。
 歌詞は、人形作りを指導する神奈川県箱根町の旅館従業員茂村ひとみさん(67)が書いた詩「還りびな」を基にした。岸田さん本人がギターの弾き語りで、しみじみと歌い上げる。
 かえりびなは元々、女性の還暦に再出発を祝って贈る品。気仙沼市や南相馬市などから仙台市に避難している被災者らが2011年末ごろから、自身の再出発と、行方知れずの家族の帰還を祈って作り始めた。
 被災者らは「仙台かえりびなの会」「仙台高砂つるしびな結の会」(ともに仙台市)などを結成。14年春から仙台市や宮城県女川町、箱根町などで展示会を開いてきた。
 茂村さんは指導を通じ、行方不明の家族のため、黙々と人形を縫う被災者らの姿を詩にしたためた。
 今年4月、箱根町でかえりびなを展示した際、この詩を添えたところ、岸田さんの知人の目に留まり、歌作りが進行。岸田さんが詩を歌詞に替え、曲を付けて9月に完成した。茂村さんは「来年春の展示会場に流し、多くの人に聞いてもらいたい」と話す。
 来年の展示会は、震災の行方不明者と同数のかえりびな約2600体を用意し、2月に仙台市宮城野区高砂地区、3月に宮城県七ケ浜町で開催するという。
 岸田さんは11年夏、気仙沼市など宮城、福島両県の被災地6カ所を訪問。ギターの弾き語りを披露し、被災者を勇気づけた。岸田さんの所属事務所は「歌を通じて被災者の皆さんの思いを全国に伝え続けていきたい」という。


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2016年12月20日火曜日


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