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内部告発文 告発者実名のまま施設長に提供

 宮城県内唯一の更生保護施設「宮城東華会」(仙台市太白区)の運営法人から解雇を通告された男性施設長(65)を巡り、部下の男性幹部職員が2015年10月、言動に問題があるとして、岩城光英法相(当時)に実名で内部告発した請願書が施設長本人に渡っていたことが19日、分かった。法務省の出先機関で、施設の運営法人を指導監督する仙台保護観察所(青葉区)が、告発者の了解を得ずに実名のまま運営法人に提供していた。
 運営法人関係者によると、幹部職員は、施設長が退職を強要するなどのパワハラ行為を複数の補導員にしているとして、内容を9ページにわたって詳しく列挙した請願書を法相宛てに郵送。「極めて許しがたく、内部告発する」などと明記した。
 施設長は今年7月、請願書を本人に示し、「告訴、告発を検討している」などと圧力をかけたとされる。請願書は、観察所から提供を受けた法人の鈴木昭一郎理事長を介して施設長に渡ったとみられる。
 幹部職員はその後、ストレス性疾患と診断され、1カ月の休養が必要になった。仙台保護観察所が実名のまま請願書を提供した行為が、内部告発者を危険にさらした格好で、守秘義務を定めた国家公務員法に抵触する可能性もある。
 仙台保護観察所の吉田千枝子所長は河北新報社の取材に「職場環境を整える必要性を伝えるため、理事長に文書を渡したが、内部告発とは全く思わなかった」と釈明。その上で「施設長に渡った事は知らなかった。結果として私に責任があり、(告発者に)大変申し訳ない」と述べた。
 吉田所長によると、同時期、既に退職した他の職員2人からも法相宛ての同じ内容の請願書が寄せられていた。所長は告発者の了解を得ずに2通とも実名のまま理事長に渡したという。
 パワハラをされたと主張する元補導員は15年4月、施設長に慰謝料などを求め、仙台地裁に提訴。今年6月末、原告側が慰謝料請求などを放棄した上で「法人は今後、パワハラと受け取られるような行為がないよう注意する」などの条件で和解が成立した。
 法人は、施設長が和解後に新たな紛争を生じさせたとして今月上旬、解雇を通告した。理事長と副理事長も辞任する方針。


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2016年12月20日火曜日


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