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<回顧みやぎ>野党共闘 展望描けず

民進党県連定期大会で参院選を振り返った桜井氏(左)=11月27日、仙台市内

 東日本大震災から6年目を迎えた2016年。宮城県内では、交通インフラを中心に被災地の復興が進む中で、復興工事を巡る事件もあった。新市誕生や商業地集積に沸く一方、政治家のモラルが問われた1年でもあった。現場の記者が振り返る。

◎2016振り返る(3)夏の参院選

<反自民票を結集>
 選挙には勝ったが、先行きの展望は描けていない。「野党共闘」の枠組みばかりを優先させる現状に、違和感が拭えずにいる。
 改選数が2から1に減り、現職同士が激突した7月の参院選宮城選挙区(改選数1)。民進党の桜井充氏(60)が再選を狙った自民党の熊谷大氏(41)を破り、4選を果たした。
 自民は最重要選挙区と位置付け、安倍晋三首相ら党幹部が連日県内入りする攻勢を仕掛けた。一方の桜井氏は共産、社民両党から推薦を受け、「野党統一候補」を前面に出して反自民票を結集し、接戦を制した。
 「主義主張が違っても、自公への対抗勢力を築くことは重要だ」。先月27日、仙台市内であった民進県連の定期大会で、安住淳県連代表(衆院宮城5区)は、次期衆院選での共闘路線に強い意欲を示した。
 県内の6小選挙区で5議席を占める自民党に対し、民進と共産を軸にした候補者調整はこれからだ。参院選で民進が獲得した県内比例票は、2014年衆院選の旧民主、旧維新の合計得票に比べて7万減った。党内には「共産との協力で逃げた票がある」(県連幹部)と慎重な見方もある。

<総括は後回しに>
 足元からはきしみも聞こえてくる。連合の神津里季生会長は10月、仙台市内で「長い目で見れば過ちを犯すことになる」と戒めた。原発再稼働などを巡り、県東北電力総連の阿部康志会長は「(反原発の)政策協定を結ぶことになれば応援しにくい」とけん制する。
 批判の一点突破で乗り切った参院選と、政権選択を迫る衆院選は異なる。功罪の総括や個別政策のすり合わせを後回しにし、数合わせの共闘ありきで進む現状に危うさを覚える。
 今月14日、市内の居酒屋で参院選で協力した3党の県議ら20人による異例の忘年会があり、「来年も超党派で結束を」と盛り上がった。19日朝には、民進の郡和子県連幹事長(衆院比例東北)が太白区の街頭でマイクを握り、「野党が団結し、1強体制に立ち向かう」と気勢を上げた。
 「野党共闘」は宮城を皮切りに、全国に流れをつくった。スローガンに魂を入れる努力を重ねなければ、有権者から痛いしっぺ返しを食らうことになる。
(報道部・桐生薫子)

[メモ]桜井氏は3月、安全保障関連法廃止を旗印に全国に先駆けて共産、社民両党の推薦を取り付けた。共産が候補を取り下げる形での選挙協力は、32の改選1人区に波及。与党が強さを発揮した参院選で、桜井氏は熊谷氏を約4万票引き離す51万票を集めた。


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2016年12月22日木曜日


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