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増える事業所内保育所 育児ママ復職を支援

事業所内の保育所で遊ぶ子どもたち=仙台市若林区の「ビック・ママランド東八番丁園」

 結婚や子育てを機に退職する女性の職場復帰や定着を促そうと、仙台市内で事業所内保育所を設ける企業が増えている。サービス業を中心に人手不足が続く中、女性の離職を防いで労働力を確保するのが狙い。働き方に合わせた保育所運営で、仕事と子育てが両立できる環境を生み出している。(報道部・江川史織)

 衣類補修業のビック・ママ(若林区)は2014年4月、青葉区北目町に従業員向け保育所を開設した。
 約100人の従業員の大半が女性で、結婚や出産で退職を余儀なくされる人もいた。保育事業部の加賀恵部長は「洋服の直しは技術力が必要。時間をかけて育てた人材が辞めるのは痛手だった」と語る。
 15年4月には事業所内保育所として市内初の認可保育所となり、市から運営費などの助成を得た。現在は市内に認可2、認可外1の保育所を構える。保育料の一部(上限2万円)を会社が負担する支援もあり、退職後に復帰する人が大幅に増えたという。
 JR仙台駅の商業施設エスパル仙台を運営する仙台ターミナルビル(青葉区)は今年4月、エスパル南側の事務所に認可保育所を設けた。勤務時間に配慮し、午前9時から午後10時まで利用できる。
 エスパル仙台の社員食堂で働くパート社員福田未来さん(34)=宮城野区=は3歳の長女と1歳の長男を朝から夕方まで預ける。
 長女の出産後に別の仕事を辞めて専業主婦になったが、長男出産から約半年後に就職活動を開始。「保育所完備」が決め手になった。福田さんは「子どものいる女性は保育所がないと働けない。フルタイムで働くのも難しかった」と話す。
 市によると、市内の事業所内保育所数は11月1日現在、認可、認可外合わせ55カ所。今年だけで10カ所増えた。国は15年4月、新たな子ども・子育て支援制度を開始。市民が利用できる地域枠を設ければ事業所内保育所も認可されるようになり、増加に結び付いた。
 市の担当者は「企業の保育所設置は市政課題である待機児童の解消につながる」と歓迎。開設を積極的に呼び掛ける。
 保育所設置の動きは個人経営店にも広がる。泉区の美容室「ドゥーク」は、従業員9人のほとんどが小さな子どもを持つ中途採用の母親だ。美容室では珍しい完全週休2日制や時短勤務を導入し、17年度の認可保育所の設置を目指す。
 店長の工藤欣弘さん(39)は3人の子を持つ。妻も一緒に美容室で働き、子育てと仕事の両立の苦労を経験してきた。工藤さんは「定員や立地などハードルはあるが、社員が働きやすい環境となるよう何としても保育所をつくりたい」と意気込む。


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2016年12月22日木曜日


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