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<回顧みやぎ>中心商店街に危機感

仙台駅前に新たな人の流れを生み出した仙台パルコ2

 東日本大震災から6年目を迎えた2016年。宮城県内では、交通インフラを中心に被災地の復興が進む中で、復興工事を巡る事件もあった。新市誕生や商業地集積に沸く一方、政治家のモラルが問われた1年でもあった。現場の記者が振り返る。

◎2016振り返る(4)仙台駅前の商業集積

<隣県の若者多く>
 JR仙台駅西口のペデストリアンデッキは今年、仙台商圏で人の流れが最も変化した場所だ。
 7月開業の仙台パルコ2と結ぶペデストリアンデッキを、若い世代を中心に多くの人が行き交う。東京の渋谷文化を発信する商業施設として注目を集め、週末の土日ともなると人波はさらに勢いを増す。
 これに先立ち、3月には駅の東西自由通路が拡幅された。ガラス張り天井の吹き抜け構造はそれまでの狭く、暗い印象の通路を一変させた。同時に、エスパル仙台東館が新たな駅の顔としてオープンした。
 駅前を歩く若者たちに話を聞いた。隣県の岩手、山形、福島から来ている人が多い。「街が大きい」「ファッションなど新しいものが得られる」。仙台に魅力を感じる理由は東京に全国の若者が集まる構図と一緒のようだ。
 パルコ2とエスパル東館は、既存の主な商業施設とペデストリアンデッキでつながる。利用者にとっては買い物や食事などの選択肢が増え、回遊性が一段と向上。駅前に人が集まる流れを加速させている。
 一極集中は一方で、仙台商圏を代表する中心商店街に影を落とす。
 山形市からパルコ2に買い物に来た女子短大生の話が象徴的だ。「駅前で買い物も食事を済むから、一番町商店街にはあまり行かない」

<個店の努力必須>
 仙台の若者ファッションをリードしてきたぶらんど〜む一番町商店街の仙台フォーラスの関係者は「パルコなど駅前に顧客を奪われている」と打ち明ける。地下フロアのファッションの比重を減らし、家具や雑貨など生活全般を扱うスタイルに今月リニューアルするなど知恵を絞る。
 駅からT字型に広がる六つの中心商店街のうち、最も離れた一番町四丁目商店街。中核を成す仙台三越の渡辺憲一社長は「エスパル東館の開業などマイナスの影響もあった。仙台商圏を盛り上げるために、われわれ商店街が踏みとどまらなければならない」と力を込める。
 仙台は駅前を中心に発展を続けているが、乱暴な言い方をすれば駅前は東京化した地方の一つの姿だ。仙台らしさを保ち複層的な商圏を創出するには、老舗も含めた個店の努力と商店街の頑張りが欠かせない。(報道部・山口達也)

[メモ]JR仙台駅2階の東西自由通路は3月18日、拡幅工事を終えて利用開始。幅は従来の6メートルから16メートルに広がった。商業ビルのエスパル仙台東館も開業。地上6階、地下1階で衣料品や雑貨など82店が入った。7月1日オープンの駅西口前の仙台パルコ2は地上9階、地下2階で衣料品や飲食店84店が出店。6〜9階にはシネマコンプレックス(複合型映画館)のTOHOシネマズ(東京)がある。


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2016年12月23日金曜日


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