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高校女子サッカーの名将 最後の全国大会へ

定年退職前の最後の全国大会を控え、選手たちを指導する国井総監督=聖和学園高グラウンド

 聖和学園高女子サッカー部を率いて32年目の国井精一総監督(65)が来年3月末で定年退職する。独創的なパスサッカーでチームを全国屈指の強豪に育て上げ、日本代表(なでしこジャパン)などを数多く輩出した名将は、自身にとって最後の全国大会となる全日本高校女子選手権(30日に兵庫県内で開幕)に臨む。
 「状況に応じたプレーを考えるんだ」。仙台市若林区の同校グラウンドに国井総監督の大きな声が響く。全国大会を控え、パスやシュート練習に打ち込む選手51人の指導にも熱が入る。「私に有終の美を飾らせたいと、チームは盛り上がっている」と目を細める。
 宮城工高、日体大でプレーし、国体などに出場。1975年から教職に就いた当時女子校の聖和学園高でバスケットボール部のコーチをした後、生徒の希望に応えて85年にサッカー部を創設して監督を務めた。
 旺盛な研究心で伝統のパスサッカーを築き上げた。以前のグラウンドがフルコートの半分以下と狭かったため、ロングボールを使った練習ができず、サッカー番組のビデオで世界最先端のプレーを分析。フェイントやトラップなどの個人技や複数の選手が連動したパス交換で相手を崩す、当時としては独創的なプレースタイルを磨いた。
 選手権は今回が連続25回目の出場(優勝3回)。なでしこリーグ仙台レディースのMF佐々木繭(23)とFW小野瞳(28)ら多くの有力選手を育て、佐々木は日本代表にも選ばれた。今年4月から総監督に就き、教え子で元同リーグ日テレの曽山加奈子監督(29)に後を託した。
 「自分のやりたい最先端のサッカーを貫くことができ、非常に良い時間を過ごせた。選手の他に指導者も数多く生まれ、草の根からサッカー界に貢献できたと思う」と振り返る。今後は引き続き練習に顔を出す一方、全国各地へ指導に赴きたいという。
 最後の選手権では2008年度から遠ざかる4強入りを目指す。「曽山監督の指導でチームに安定感が出ている。今回こそメダル(3位以内)に届きたい」。名将の願いに応え、MF下山莉子主将(3年)は「国井先生のパスサッカーを歴史に残したい」と燃える。


2016年12月23日金曜日


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