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<原発事故>高校演劇部が学校再開の戸惑い描く

稽古を重ねる演劇部の生徒たち

 東京電力福島第1原発事故に伴い福島市の仮設校舎で学ぶ相馬農高飯舘校(福島県飯舘村)の演劇部が、高校演劇の東北大会に2年連続で出場する。今年の芝居テーマは「学校再開」。生徒5人はいずれは仮設校舎が消える自校と重ね、複雑な思いで舞台に立つ。
 芝居は、福島市内の仮設校舎に別れを告げる修了式前日の設定。本来の校舎がある飯舘村に戻ることになるのだが、村に通学せず転校を選んだ福島市出身の2年生を描く。「卒業まで(再開を)待ってくれたっていい」と声を荒らげる場面もある。
 現実の世界では、飯舘村の避難指示は来春、一部を除いて解除される。飯舘校の今後は未定だが、生徒66人のうち7割は村外出身。地元再開時には転校を選択する生徒も予想される。
 福島市出身の部員たちは芝居に自身を投影させる。「仮設校舎がなくなることは想像できない。悔しい気持ちになる」と部長の2年菅野千那さん(16)。2年後藤滝翔(りゅうと)さん(17)は「(学校再開の)悪い面が見えてしまう。(福島市に)残る人たちのことも知ってほしい」と訴える。
 飯舘村出身の部員は2年高橋夏海さん(17)だけ。学校再開が現実になれば「私は村に戻りたい。でも転校する仲間にどう接したらいいのだろう」と悩む。
 顧問で脚本を手掛けた西田直人教諭(47)は「この学校もいつか再開する。最後の日をみんなで想像してほしかった」と話す。
 東北大会は23〜25日、いわき市のいわき芸術文化交流館アリオスで開かれる。相馬農高飯舘校の舞台は24日午前11時半から。


2016年12月23日金曜日


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