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<道しるべ探して>垣根越えヒント求める

東北各地から自治体職員が集まったOM勉強会。仲間の話に耳を傾け、語り合う=仙台市泉区の市職員研修所

 迷ったら誰かに道を尋ねればいい。倒れそうなら支え合う。悲しみこそ分かち合いたい。そう気付いた人たちが、各地で連帯のハーモニーを奏で始めた。
 山積する地域課題にどう立ち向かうべきなのか。東北の自治体職員が杜の都に集った。

◎とうほく共創 第7部響きあい(1)傾ける耳

 大研修室で約100人が住民対話や協働のまちづくりを学ぶ。先進事例に耳を傾け、思いの丈を語り合った。
 「説得するのではなく、納得してもらうのが地域づくり」「地域のコーディネーターたれ」。講師を務めた静岡県牧之原市長の西原茂樹さん(62)が、熱く自治体職員の心得を問う。会場が大きく波打った。
 勉強会を主催した「東北まちづくりオフサイトミーティング(東北OM)」。2009年に発足し、自治体職員を中心に東北6県から900人を超える人たちが参加する。
 インターネットを使った情報交換とともに力を入れているのが、年3、4回開く勉強会と交流会だ。開催地は既に東北を一巡し、28回を数える。

 弘前市職員の佐々木絵理さん(26)は今年で入庁4年目。地域コミュニティー施策を担当しているが、町内会の加入率が上向かないと一人悩んでいた。
 一方で市民ニーズは驚くほど多様化している。行政の守備範囲は広がるばかり。「一人の職員、一つの組織では解決できない問題が増えている」。そう感じる。
 3年前、ヒントを求めて東北OMに飛び込んだ。人脈を仕事に生かしたい。これはと思った政策は、とりあえずまねてみる。
 「弘前だからできないとか、地方だから無理だとか言い訳したくない」と佐々木さん。暮らすまちへの責任感が、若き公務員を突き動かす。

 行政の限界を痛感する自治体職員が今、職場を飛び出して市民や議員、研究者、企業人とつながり始めている。
 東北の取り組みをモデルに13年には九州、14年には四国でOMが発足した。宮城や山形、福島では地域単位のグループができ、人と人が多層に結び付く。
 東北OM発起人で山形市職員の後藤好邦さん(44)は「OMは『人財』のプラットホーム」と語る。
 「成果はメンバー次第。ゼロかもしれないし、無限大に広がるかもしれない。従来のネットワークとは、ここが決定的に違う」
 地域や組織、官民の垣根を越えて「東北」が結集する。競争から共創へ。緩やかに交わっていく。


2016年12月24日土曜日


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