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津波に耐えた桜の木 地蔵になり復興見守る

安置した「桜咲く地蔵」を見つめる藤中さん

 東日本大震災の津波で被災しながら花を咲かせた桜の木で地蔵が作られ、宮城県女川町中心部の商店街「シーパルピア女川」の一角に安置された。震災の記憶を後世に伝え犠牲者を鎮魂しようと、地蔵として活用した。設置した町民らは「復興に向けて歩む姿を見守り続けてほしい」と願う。
 地蔵は「桜咲く地蔵」と名付けられ、桜の木目を生かした風合いが特徴だ。台座を含め高さ約50センチ。地蔵堂は高さ約1.2メートル、幅約80センチ、奥行き約1.4メートルで扉には震災前の桜の姿が描かれている。地蔵堂の扉は原則午前8時ごろ〜午後6時ごろまで開いている。
 資金約90万円は町民らの募金で賄い、住民有志でつくる「女川桜守(も)りの会」が22日に設置した。
 桜の木は推定で樹齢約80年。震災前は町中心部の授産施設跡地の駐車場に立っていた。津波で幹の半分以上が裂けたが、約1カ月半後に数輪の薄桃色の花を咲かせ、被災した町民らの心の支えとなった。
 2012年5月に枯死が確認されやむなく伐採。桜守りの会などが保管した。町を訪れた京都府の僧侶の助言で地蔵にすることが決まり、京都府の木地師小田健太郎さんが制作。14年3月に開眼法要が営まれた。
 町は震災で大きな被害を受け、公民連携の復興まちづくりが進む。桜守りの会事務局長の藤中郁生さん(69)は「安置でき一安心した。町民を勇気づけた桜から作ったお地蔵さんに、これからも私たちを見守っていてほしい」と話す。


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2016年12月25日日曜日


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