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<この人このまち>虫の力 ロボットに応用

藤沢隆介(ふじさわ・りゅうすけ)1980年茨城県つくば市生まれ、電気通信大大学院博士課程修了。2009年に八戸工業大助教となり、14年4月から現職。専門は群ロボット工学。

 アリが操縦するロボットやクモ型の橋梁(きょうりょう)点検ロボットなど、八戸工業大(青森県八戸市)講師の藤沢隆介さん(36)は、虫をヒントにロボット研究を続ける。虫の力を借り、すぐには役に立たないけれど何か新しいことができないか、アイデアを巡らす。(八戸支局・岩崎泰之)

◎八戸工大講師 藤沢隆介さん

 −虫に注目した経緯は。
 「最初は粘菌に興味がありました。集団で動いているのに一つの生物のように振る舞い、寒くなるとキノコのような構造物になるんです。博士課程の時にアリの研究者と親しくなり、虫の能力などをロボットに応用するようになりました」

 −どんな研究を。
 「巨大な塚を作るシロアリのように、発泡ウレタンを出して階段の段差をなくしたり水面に浮いたりして移動するロボットや、フェロモンの代わりにエタノールを使って複数で動く群ロボットを研究しています」
 「シロアリは司令塔もいなくて計算もしていないのに、空調機能付きの塚を作ります。それぞれが勝手に動いてすごい物ができる。その仕組みを知るための研究です。別の惑星に将来移住する時、先にロボットを送り込んで都市基盤を造ったら…。SF的ですけどね」

 −アリ用ロボットは英語のアリのアントとアニメの機動戦士ガンダムから「アンタム」と名付けました。
 「ガンダムは理系の一般教養。ロボット屋は知らないと話になりません。20〜30年前、SFは現実世界の先を行っていましたけど、今は突拍子もないアイデアを現実にする技術がある。昔のSFからインスピレーションをもらっています」

 −漫画「風の谷のナウシカ」の蟲(むし)を操る「蟲使い」にも興味があるようで。
 「考えているのは死んだ生き物を好む虫を使った探索装置。災害の犠牲者の捜索は人海戦術と犬が中心ですが、虫にも可能性があります。目指すのは、さながら『現代の蟲使い』でしょうか。大学には相談していないけど、春になったら大学の敷地に死んだ豚とかを埋め、実験したいです」

 −研究の数々は(ユーモラスな研究に贈られる)イグ・ノーベル賞候補ですね。
 「どうやったら狙えるのかも分からない賞ですから、もらえるなら欲しいですね。首都圏での学会に参加するのには遠い八戸ですが、大学の研究スペースは非常に広くて満足してます。虫や動物の能力を解明してロボットが効率良く動くメカニズムやアルゴリズムを研究し、何かしら人類がハッピーになればいいです」


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2016年12月26日月曜日


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