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<湯本温泉>再生へアイデア沸々 大学生連携

湯本温泉の活性化を巡り、住民と学生が意見を交わした勉強会

 岩手県西和賀町の湯本温泉で、住民と工学院大(東京)の学生らが地域再生の活動に取り組んでいる。温泉卵を作るスポットの設置など温泉資源を生かす試みを始めたほか、点在する空き地や湧き水に着目し、地域を訪れる人を増やす仕掛けを模索している。
 旅館や町役場、町観光協会などの地元関係者と、まちづくりを学ぶ大学生や院生が協力する。1年目の昨年度は空き地や空き家が目立ち、人の集まる場所が少ない地区の課題を掘り起こした。豊かな自然に囲まれ、俳人正岡子規の句碑が残る地区の魅力も探った。
 本年度はそれらの成果を地域再生に生かす事業に乗りだした。鳴子温泉(大崎市)や土湯温泉(福島市)を視察。11月9日〜今月5日には、温泉が引いてある観音堂に温泉卵を作る場所を設けた。
 町観光商工課の担当者は「チラシを掲載した町のホームページへのアクセスが280件に達し、予想以上の反響があった」と話す。いつでも温泉卵を作れるよう常設に切り替えた。
 今月5日には地区公民館に住民や学生計約30人が集まり、勉強会を開催。学生は今後の取り組みとして、散策路の冊子づくりや湧き水周辺の環境整備を提案した。空き地などの活用も全員で話し合った。
 学生を指導し、釜石市の復興まちづくりにも関わる工学院大の遠藤新教授(43)=都市デザイン=は「住民がしがらみがあって言えないことも学生は言える。綿密な計画より、何ができるかという切り口が重要だ」と意義を強調する。
 かつて15以上の宿が軒を連ねた温泉街は現在、4軒まで減った。旅館一休館を営む照井直治さん(74)は「何もしなければ地区が駄目になると分かっていても、動くきっかけがなかった。今は刺激を受け、みんなで頑張らないといけないと前向きになってきた」と意識の変化を口にする。


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2016年12月26日月曜日


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