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<福島中間貯蔵>汚染廃輸送ダンプ急増へ

除染廃棄物を積み、常磐自動車道を走るダンプカー=いわき市(写真は一部加工しています)

 福島県内の常磐自動車道などで、東京電力福島第1原発事故で発生した除染廃棄物を中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)に運ぶダンプカーが目立ち始めた。作業日1日当たりに行き交うのは現段階で200台。2017年度は300〜350台に増え、東京五輪がある20年度は最大で3600台に上る見込みだ。道路整備の促進と安全管理の徹底を求める声が地元で高まっている。

<町民の安全心配>
 除染廃棄物は最大2200万立方メートルの発生が見込まれ、環境省は20年度までに500万〜1250万立方メートルの搬入を目指す。
 16年度の輸送量は15万立方メートル。保管袋(約1立方メートル)6個を積載する10トンダンプに換算すると、2万5000台に相当する。作業が想定される約260日で割ると1日平均約100台。実際には年度前半は輸送が少なく、10月半ばから約200台が運んでいる。
 ダンプは前部に「除染土壌等運搬車」のゼッケンを付けている。双葉町の男性(66)は「常磐道で1、2カ月ほど前からぐっと増えた。片側1車線なので、ダンプの後ろに車が連なって走っている」と話す。
 ダンプは常磐道から大熊、双葉両町内の一般道を走る。双葉町関係者は「11月に中間貯蔵施設が本格着工し、工事の大型車も加わって大変な状態だ。ダンプが中央線をはみ出して走るなど今でも危険。一時帰宅した町民が事故に遭わないか心配している」と言う。
 環境省は17年度、前年度比3.3倍の50万立方メートルの輸送を見込む。計画を示した今月9日の大熊、双葉各町議会の全員協議会では安全対策を求める意見が相次いだ。大熊町の渡辺利綱町長も「道路状況をみると、輸送が計画通り進むのか不安もある」と述べた。
 輸送量は中間貯蔵施設の用地確保や道路交通対策の進展に合わせ増える予定。順調に進んだ場合の年度ごとの最大輸送量はグラフの通り。最短では20年度に600万立方メートルのピークを迎える見通しだ。

<国は「問題ない」>
 常磐道は18年度に大熊インターチェンジ(IC)、19年度に双葉ICの使用開始を計画する。600万立方メートルは10トンダンプ100万台分に当たり、環境省は1日平均3600台と想定。両IC付近をそれぞれ1日1500台以上、1時間当たり最大200台以上が通過すると試算する。
 帰途を合わせると、常磐道や一般道をひっきりなしにダンプが通るが、同省は「試算の評価では交通容量内に収まり、追加被ばく線量や振動、騒音もおおむね問題はない」と説明する。
 国は帰還困難区域に「特定復興拠点」を設け、5年後をめどに避難指示を解除する方針を決めた。
 双葉町は「拠点整備に向け、さらに出入りが多くなる。ICと中間貯蔵施設を結ぶ道路の確実な整備をはじめ、国にはハード、ソフト両面で万全な対策を求める」と強調する。


2016年12月26日月曜日


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