福島のニュース

「妻の命日ここで」復興拠点に災害住宅完成

災害公営住宅への入居を喜ぶ渡辺さん

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が昨年解除された福島県楢葉町に、新たな災害公営住宅が完成し、入居者に26日、鍵が引き渡された。町が復興拠点として整備中のコンパクトタウンに建設した。

 完成したのはタウン内に計画する120棟のうち1期分の12棟。2LDKと3LDKの木造平屋で、東日本大震災の津波被災者が住む。現地であった式典で、松本幸英町長が入居者代表の渡辺一重さん(72)に鍵のレプリカを渡した。
 いわき市に避難していた渡辺さんは、妻カヨ子さんが今年の元日に70歳で亡くなった。12月27日がカヨ子さんの誕生日で「楢葉で妻の誕生日と命日を迎えたい」と、26日に早速、引っ越した。
 新たに購入した仏壇も運び込まれた。カヨ子さんの位牌(いはい)を納め、遺影を置いた渡辺さんは「妻は早く楢葉に帰りたいと言っていた。元気なうちに戻れればよかったが、楢葉に来て喜んでいると思う。これでやっと落ち着く」と話した。
 式典では、コンパクトタウンの名称が一般公募で「笑(えみ)ふるタウンならは」に決まったことも発表された。
 災害公営住宅の全戸完成は当初予定より3カ月遅れ、2017年6月の予定。宅地18区画の分譲も26日に始まった。タウン内には公設商業施設や交流施設が18年春のオープンを目標に整備される。


2016年12月27日火曜日


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