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<汚染廃棄物>一斉焼却 棚上げ

宮城県内の各市町村長が集まって開かれた指定廃棄物処理促進の会議=27日午後7時ごろ、仙台市青葉区

 東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物を巡り、宮城県は27日、処理方法を話し合う市町村長会議を仙台市内で開いた。県内15施設で一斉焼却する県の方針に栗原市などが難色を示したため、試験焼却の実施に向けた合意には至らなかった。
 放射能濃度の低い廃棄物が大半を占める状況を踏まえ、当面は廃棄物を保管する全自治体がすき込みや堆肥化による処理を優先的に検討する方針で一致。県は半年程度、状況を確認した上で、改めて会議を開いて一斉焼却を提案する。
 会議では、首長から「一時保管する住民の負担解消のため焼却はやむを得ない」との意見が多く出た一方、「すき込みなどの処理を検討する時間がほしい」「住民理解を得るのは難しい」など慎重論も出た。
 廃棄物の保管量が最も多い大崎圏域の伊藤康志大崎市長は「一斉焼却が最良の方法。焼却に伴う課題解決と十分な説明を」と条件付きで賛意を示した。
 布施孝尚登米市長は「最大限焼却によらない方法を採るため、時間がほしい」と態度を保留。佐藤勇栗原市長は「住民は説明に納得しなかった。市は堆肥化を進めており、焼却は受け入れられない」と明言した。
 村井嘉浩知事は一斉焼却の前提として、全市町村長の合意を掲げていた。既に処理を終え、他の自治体から廃棄物を受け入れる形になる奥山恵美子仙台市長は「保管量が多い自治体から『焼却以外で』という声が出る中、市がすぐ試験焼却を受け入れるのは難しい」と話した。
 議論を受け、村井知事は「全首長同意の前提が狂えば、住民理解は得られない。まずはすき込み、堆肥化での処理に努力してほしい。状況を確認して再度、一斉焼却を諮りたい」と提案し、了承された。
 終了後、村井知事は「すき込みや堆肥化の検討に全員から合意を得たのは問題解決への前進だ」と前向きに評価した。一方で、堆肥化には混ぜ込みに大量の牧草や稲わらが必要で、長い時間を要するなど、課題の多さも指摘した。

[メモ]放射能濃度が1キログラム当たり8000ベクレル以下で、市町村が処理責任を負う汚染廃棄物は約3万6000トン(未指定分約2000トンを含む)が宮城県内で保管されている。普通の廃棄物と混ぜて放射能濃度を400ベクレル以下にすれば堆肥化や土壌へのすき込みが可能。400ベクレル超でも、元の土地への還元などの条件を満たせば処理できる。


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2016年12月28日水曜日


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