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<大川小訴訟>控訴理由書「教員に過失ない」

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった石巻市大川小の児童23人の遺族が提起した訴訟で、仙台地裁判決を不服として控訴した市と宮城県が27日、「大津波の襲来を予見するのは極めて困難であり、教職員に過失責任はなかった」とする控訴理由書を仙台高裁に提出した。
 骨子は表の通り。教職員が(1)津波の襲来を予見できたか(2)裏山に避難する義務はあったか(3)学校近くの北上川堤防付近(三角地帯、標高約7メートル)に避難しようとしたことを責められるか−などを軸に、地裁判決への反論を展開した。
 市は「教職員がラジオや市広報車で津波情報を得たとしても、事前の想定を超える津波の襲来は予見できなかった。裏山には雪があり、将棋倒しになる危険性も高かった」として、三角地帯に向かった判断を正当化した。
 県は「教員らは当時の知見・情報を基に適切に対応し、過失はなかった。(数多くの犠牲を出した)結果を前提に判断してはならない」と強調。遺族の請求を大筋で認めた地裁判決の破棄を求める考えを示した。
 10月26日の地裁判決は、津波が襲来する7分前の午後3時30分ごろに市広報車が避難を呼び掛けた時点で、教員らは大津波の襲来を予見できたと認定。「裏山は避難場所として何ら支障がなく、堤防付近への避難は不適当」と遺族の請求を認め、約14億2660万円の支払いを市と県に命じた。
 地裁判決によると、大川小教職員は地震発生後の約45分間、児童に校庭に待機するよう指示。校庭近くの三角地帯に向かう途中で津波にのまれ、児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明になった。遺族側も事前防災や事後対応の不備を認めなかったのは不当だとして、控訴した。


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2016年12月28日水曜日


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