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<行く年に>痛みこらえ玉縄編む

「松例祭」を間近に控え、「ツツガムシ」の顔となる網を玉縄で編む若者たち

 今年も一年が終わろうとしている。東日本大震災から6度目の年の瀬となる。東北各地の暮らしや習俗を見詰め、人々の息遣いに耳を澄ませた。

◎東北歳末点描(6)松例祭の準備「網漉き」=鶴岡市

 修験道で知られる鶴岡市の出羽三山神社は、大みそかから元旦にかけて夜通し続く国の重要無形民俗文化財の火祭り「松例祭(しょうれいさい)」の準備に追われている。
 神社がある羽黒山の麓、手向(とうげ)集落の若者たちが境内の一角で進めたのは「網漉(あみす)き」と称する2本の大たいまつ作り。網は祭りで退治する悪鬼「ツツガムシ」の顔の部分になる。
 延々と玉縄を編み込む力仕事。「手が痛い」「腰がつらい」。時折、弱音が広間に響く。
 4回目の参加となった会社員大谷光一さん(36)は「手向の男にとって年末年始は松例祭が中心。大変だが、立派に役目を担うことが誇りになる」と、作業で破れた手袋を外す。
 ツツガムシを模した大たいまつの燃え方で翌年の豊作や豊漁を占う。
 「良い新年を迎えられるよう務めを果たしたい」。縄を絞める大谷さんの腕に自然と力が入る。
 出来上がった網は大みそかまでに他のパーツと共にたいまつに仕上げられる。


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2016年12月28日水曜日


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