山形のニュース

<ほっとタイム>震える手最後の仕事

震える左手を抑えながら最後の注文を仕上げる高橋さん

◎笹野一刀彫最高齢の職人

 「お鷹(たか)ぽっぽ」で知られる米沢市笹野地区の伝統工芸品、笹野一刀彫の各工房で、来年のえとの酉(とり)の置物作りが最終盤を迎えている。上杉藩の城下町で受け継がれてきた師走の風物詩。職人たちが慌ただしい中、最高齢の高橋信行さん(82)だけはゆっくりと自分のペースを守る。
 数少ない専業職人である高橋さんは今春、高齢を理由に廃業届を出した。「数年前から左手の震えが治まらなくなってねぇ…。これじゃまともな物は作れない。年が年だし、潮時かなってね…」
 自衛官から特産の織物職人を経て、この道に入った。初代の看板を背負って40年余り。1979年にえとの置物作りを手掛けて以来、国内外に招かれて作品を発表し、数々の表彰を受けてきた。
 作業場には発送を待つ酉の置物が少しずつ増えている。「どうしてもって頼まれて断り切れなくてねぇ…。でも、これが最後」。震える手を抑え、一刀彫に魂を吹き込む。(米沢支局・相原研也)


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2016年12月28日水曜日


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