広域のニュース

震災被災の保護者65% 学費賄えず

 東日本大震災に伴い経済的に困窮し、公的な就学援助制度を利用する保護者の65%が学費を賄えていない状況にあることが、被災地で子どもの支援に当たる民間団体の調査で分かった。制度は十分でなく、震災の影響が家庭に根強く残っていることが浮き彫りになった。

 調査は国際NGOの公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(東京)が3月28日〜11月22日に実施。同NGOが今春、就学費用の一部を助成した石巻市と岩手県山田町の小学1年生、中学1年生がいる計268世帯を対象にした。書面で聞き、265世帯から回答を得た。全回答のうち192世帯(72.5%)が一人親家庭だった。
 家計への震災の影響では、震災前と過去1年間の家計の状況について「赤字で借金をして生活」「赤字で貯金を取り崩している」と回答した世帯が、震災前は92世帯(34.7%)だったのに対し、過去1年間では165世帯(62.3%)に増加した。
 就学援助制度を利用しているのは205世帯(77.4%)で、うち134世帯(65.4%)が、学校にかかる経費を「あまり賄えていない」「全く賄えていない」と回答。制度の未利用は41世帯あり、うち16世帯(39.0%)は利用が必要だと考えているのに「周囲の目が気になり申請しなかった」「制度を知らなかった」と答えた。
 NGOの担当者は「震災による子どもの生活への影響は医療や進学、校外活動など多岐にわたっている。子どもの就学費用や住宅費の軽減など、保護者に対する一層の経済支援が必要だ」と指摘する。


[就学援助制度] 経済的な理由で就学が困難な児童生徒の保護者に学用品、修学旅行、給食などの費用の一部を国や市町村が援助する。生活保護法の要保護者の他、市町村教委が独自に認定する準要保護者が対象。援助額や基準は市町村によって異なる。対象の児童生徒は増加傾向にあり、2013年度は全国で約152万人で全体の約15%を占めた。11年度、東日本大震災に伴う就学支援制度が別に設けられた。


関連ページ: 広域 社会

2016年12月29日木曜日


先頭に戻る