広域のニュース

<原発賠償費用>東北電利用者 負担増も

 東京電力福島第1原発事故の賠償費用を巡り、東北電力の電気利用者の負担が増す可能性が高まっている。事故後に成立した法律に基づき、東北電など大手電力も電気料金収入から賠償関連の負担金を納付しているほか、国が2020年度から大手電力の託送料(送電網の使用料)を通じて利用者から資金を集める方針を決めたためだ。
 東北電など大手電力は事故後の11年度から、認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」への一般負担金納付を通じて、東電の賠償資金の一部を実質的に負担している。大手電力各社の15年度分の納付金額は表の通り。東北電の負担は13年度以降、毎年107億円となっている。
 東北電が13年の電気料金引き上げの際に公表した料金原価を基に試算すると、同社が機構に年107億円を納付した場合、標準家庭(月間の使用電力量260キロワット時)は電気料金から年400円程度を負担していることになる。
 賠償費は本来、東電が負担すべきコスト。だが、国は事故後、大手電力が「相互扶助」によって将来の原発事故に備える考え方に基づき、賠償を支え合う制度を構築。関係法が11年8月に施行され、同年度から大手電力が負担金を納めることになった。
 国が今月示した福島原発事故の費用負担の枠組みによると、約8兆円に膨らむ賠償費のうち、2兆7000億円は大手電力の一般負担金を実質的に充てる。電力会社別の負担率は保有する原発の総出力などを考慮する。納付期間を明確に定めないまま年度ごとに機構が金額を決めるため、将来の消費者負担がどの程度になるのか見えにくい。
 負担金に関し、東北電の原田宏哉社長は今月16日の記者会見で「法律に基づき定められた金額を納付する」と述べた。一方、東日本大震災や原発事故の被災地を念頭に置き、「復興は道半ばであり、最終的に電気を使うお客さまの負担が増えるのは望ましくない」と国に配慮を求める姿勢を示した。
 国は一般負担金とは別に、「原発事故前から十分な賠償資金を確保しておくべきだった」として、20年度から40年間、電気料金に含まれる託送料に上乗せする形で総額2兆4000億円を回収する方針。経済産業省は標準家庭の負担を年200円程度と試算するが、回収期間が長期に渡り、不確定要素も多いのが実情だ。


2016年12月30日金曜日


先頭に戻る