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<ほっとタイム>地元に愛された67年

「お客さまには感謝の気持ちだけです」と話す征子さん

◎老舗せんべい店 初売り最後に幕

 長年愛されてきた手焼きせんべい店「仙台こうれん本舗」(仙台市青葉区)が、来月2、3日の初売りを最後にのれんを下ろす。店主の砂野衛さん(76)が目を悪くし、せんべいを作れなくなった。老舗がまた一軒、街から姿を消す。
 年内最後の営業となった29日。店には常連客が次々と訪れた。「えっ、閉めちゃうの? 残念だ」。30年、店に通った同区の無職男性(83)は肩を落とした。おかみの征子さん(73)は、何度も頭を下げた。
 創業67年。コメを製粉し、蒸した生地を乾燥させて焼いていく。手間がかかった製法は地元の人に支持されてきた。閉店を決めたのは今月。衛さんが網膜剥離で手術し、医者から力仕事をしないよう告げられた。
 「体力的にいつかはと思っていたけど、こんなに急なんて…」と征子さん。「お客さまの『おいしい』の一言に救われてきました」。そう言うと、涙が頬を伝った。
 初売りの営業は午前9時〜午後6時半。売り切れ次第終了する。(報道部・桐生薫子)


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2016年12月30日金曜日


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