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<熊本地震>宗教者 悩み聞きそばに

僧侶らが被災者の間に入って、茶飲み話に花を咲かせるカフェ・デ・モンク。何げない会話の積み重ねが苦悩の軽減につながるという=6日、熊本県益城町

 熊本地震の被災地、熊本県益城(ましき)町の仮設住宅で、九州臨床宗教師会が移動式傾聴喫茶「カフェ・デ・モンク」を開いている。熊本県内の避難所は11月に全て閉鎖され、被災者の生活の場は仮設住宅に移ったが、慣れない暮らしに不安は大きい。東日本大震災に直面した宮城県内で始まり、今も震災被災地で続く取り組みが、熊本の被災者の心の支えになっている。

 益城町の「広崎仮設団地集会所」で今月6日、僧侶と牧師計6人が茶飲み話をしながら、被災者約15人の思いに耳を傾けた。被災者は「1人暮らしで、病気をして倒れていても分からない」などと不安を口にした。宗教者は被災者と語らい、苦悩を分かち合った。
 自治会長の田原八十八( やそはち )さん(83)は「この仮設団地は高齢者や1人暮らしが多く、障害のある人もいる。孤独死や自死を一人も出さないのが私の願い。お坊さんや牧師さんが入居者の話を聞いてくれるのは、とても心強い」と感謝した。
 同宗教師会は熊本地震が発生した4月、宮城で行われている傾聴喫茶を参考にして、各地の避難所で「カフェ・デ・モンク」を開始。全避難所が閉鎖されてからは、宗教師会の11人が月2回程度、益城町などの仮設住宅で、被災者の声に耳を傾ける。
 宗教師会長を務める熊本市の僧侶、吉尾天声さん(51)は「被災者が憂鬱(ゆううつ)な気持ちに耐えられず、生活する気力を失うことがあるかもしれない。そんなとき、われわれの顔を思い出してくれるような関係を築きたい」と話した。
 震災直後の2011年4月に僧侶ら有志で始めた「カフェ・デ・モンク」は今も宮城県内の災害公営住宅などで続けられている。栗原市築館の通大寺住職、金田諦応さん(60)は「被災者と息長く、一緒に泣き笑いを続ける。寄り添い、そばにいてあげることこそ、宗教者に求められている」と熊本の取り組みにエールを送る。


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2016年12月31日土曜日


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