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浜の営み 重なる光跡 6度目の大みそか

薄暮の街に灯がともる。手前の造成地に集合型の災害公営住宅や一戸建て住宅が並ぶ。海を行く船が光跡を描く=宮城県女川町

 重機のエンジン音とダンプカーのクラクション。何かを打ち付ける甲高い響き。山を削り、地を突き固める振動。東日本大震災の被災地に年中あふれた復興の喧騒(けんそう)が、年の瀬の夕闇に消えていく。
 新しい街に灯がともり、災害公営住宅の建物群が浮かび上がる。高台移転地に一戸建て住宅が増えた。あの日、膨れ上がった海は暗く静まる。宮城県女川町の2016年が暮れる。
 陸前高田、気仙沼、石巻、名取、南相馬…。他の被災地は、どんな大みそかを迎えているだろう。この1年、暮らしはどこまで再建したか。東京電力福島第1原発の廃炉、放射性物質の除染はどれだけ進んだか。
 復興庁によると9日現在、岩手、宮城、福島の被災3県を中心に全国で13万740人が避難生活を続ける。1年前から5万1260人減った。その中には仮住まいを脱せずに亡くなった人も含まれる。
 沿岸、原発周辺を離れると、東北でも震災は過去の出来事になりつつある。家族や生活を奪われた人、古里に帰れない人にとって、震災は今も目の前の現実だ。
 震災から6度目の新年が来る。再生の歩みは続く。


2016年12月31日土曜日


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