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原発事故後も診察 高野病院長、火事で死亡か

高野英男さん(高野病院HPより)

 12月30日午後10時25分ごろ、福島県広野町下北迫、医師高野英男さん(81)方から出火、木造平屋の住宅の一部が焼け、男性の遺体が見つかった。高野さんは東京電力福島第1原発事故で大きな被害を受けた双葉郡で唯一、診療を続ける病院「高野病院」の院長。双葉署は、遺体は1人暮らしの高野さんの可能性が高いとみて身元を調べている。
 広野町は第1原発の南20〜30キロ圏。町は事故を受けて2011年3月13日、独自の避難指示(12年3月末解除)を出し、全町避難したが、高野さんは移動の難しい入院患者と病院にとどまり、治療を続けた。
 町などによると、高野病院は内科や精神科などがあり、現在102人が入院。高野さんはただ一人の常勤医で、隣接する特別養護老人ホームの理事長も務めていた。火災が起きた建物は病院敷地内にあり、そこに泊まり込んで入院患者らに対応。帰還した住民や町内に住む廃炉・除染作業員の診療にも当たり、事故後の地域医療を支えていた。
 広野町は31日、県などと対応を協議。当面、南相馬市の病院から医師が派遣されることが決まった。遠藤智町長は「高野病院は事故直後から双葉郡の医療の中心を担い、高野先生は365日診療を続けていた。常勤医確保など早急に態勢を整えたい」と話した。
 夫が入院する渡辺重子さん(85)は「高齢者を大切にしてくれる先生で、心のよりどころのような存在だった」と語った。


2017年01月01日日曜日


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