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<インバウンド>巻き返しへ一体感醸成

 青森、岩手、七十七、秋田、山形、東邦の地方銀行6行と日本政策投資銀行が広域観光を巡って手を結ぶ背景には、九州などの他地域に比べ、東北の観光市場が出遅れているという事情がある。交流人口拡大に向けた官民それぞれの歩調を合わせ、東北の一体感を醸成するうねりを巻き起こすことが今回の協定締結の最大の狙いだ。
 各県が重点を置く訪日外国人旅行者(インバウンド)の誘客で、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の影響が大きい東北は苦戦が続く。観光庁によると、東北の2016年1〜9月の外国人宿泊者は延べ41万4000人で、全国の1%に満たない。
 個々の動きを束ね、仙台空港の民営化や格安航空会社(LCC)の便数拡大を追い風に巻き返しを急ぐ必要がある。
 金融機関が持つ海外ネットワークは貴重な武器になる。七十七銀は中国・上海とシンガポール、秋田銀は台湾に駐在員事務所がある。東北観光推進機構や東北経済連合会と連携し、現地の生の情報を共有することで、より戦略的な誘客活動につなげられる。
 県境を越えて事業展開する交通やサービス関連業者への資金支援も重要だ。どの地銀も主な営業基盤は県単位で、広域的な支援には乗り出しにくかった。新たな連携の枠組みをきっかけに垣根を取り払い、協調融資など目に見える形での支援につなげたい。
 瀬戸内地域は15年5月の協定締結後、他の金融機関を含め46社が出資して株式会社を設立。観光活性化ファンドを運営するほか、観光関連業者の経営支援、地域産品や周遊ルートの開発を担い、地域活性化に寄与している。
 今回の広域連携には東北経済界のけん引役が参加する。人口減少で地域の活力が失われつつある中、各行は待ったなしの覚悟で観光振興に向き合うべきだ。(解説=報道部・田柳暁)


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2017年01月01日日曜日


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