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<インバウンド>震災伝える教育旅行誘致

再建された南三陸病院を見学する台湾・台南市の高級中学の生徒ら。被災地での学びは貴重な体験になる=2016年1月

 政府は2016年を「東北観光復興元年」と定め、東北の外国人延べ宿泊者数を20年までに15年の約3倍の150万人に増やす目標を掲げた。国や自治体、民間企業などの地道な取り組みにより、成果が表れ始めている。一方で東北に訪れる外国人旅行者数は全国の1%に満たない。東北が一体となり、17年を観光復興に向けた飛躍の年にしたい。
 東日本大震災の被災地では、震災の教訓を伝え、復興の現状を発信する「復興ツーリズム」を掲げて、外国人旅行者を誘致する動きが出てきた。
 宮城県南三陸町が取り込みに力を入れるのが台湾の高校生の教育旅行だ。町によると、2015年12月に初めて台湾の高校生36人を受け入れ、16年は6校計約140人が訪れた。
 高校生は、15年11月に再建された南三陸病院や多くの人が犠牲になった町防災対策庁舎などを巡り、防災減災について学習。一般家庭に泊まり、夕飯の支度などを通じ地元の暮らしを体験する。
 きっかけは、南三陸病院の再建に台湾から支援を受けたのを縁に始まった交流だった。町観光協会職員らが台南市などの高校約50校を訪れ、旅行を働き掛けた。
 ただ、沿岸被災地ではまだまだ生活再建が優先課題。訪日客の受け入れが難しい地域もある。東北観光推進機構の紺野純一専務理事は「もともと沿岸被災地は観光資源が豊富ではない。防災教育や復興状況の発信など、ならではのテーマで人を呼び込む工夫が求められる。特に若い人に来てもらえば新たな流れが生まれ、将来的な被災地の発展につながる」と指摘する。


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2017年01月04日水曜日


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