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<CSR>根を張る長期支援 復興に貢献大

アサヒグループの社員、ボランティアが参加した麦踏み=2015年2月、東松島市

 企業は東日本大震災後、国内の災害史に例がないほど復旧や復興に大きな役割を果たした。背景には2000年代に入って普及したCSR(企業の社会的責任)の概念がある。環境分野を中心に社会的課題に取り組む企業が目立ち始めたころ、震災が発生した。
 津波で被災した宮城県東松島市の沿岸部には1.5ヘクタールの大麦畑が広がる。栽培するのは一般社団法人東松島みらいとし機構(HOPE)と、アサヒグループホールディングス(HD、東京)。
 震災前、奥松島運動公園だった土地を活用し、13年に「希望の大麦プロジェクト」としてスタートさせた。収穫した大麦は地ビールの醸造などに使われる。
 アサヒHDは15年3月、同年に完了予定だった復興支援を20年まで延長すると発表した。これまでの活動を継続しつつ、「人」をテーマに人材育成や暮らし応援などに力を注ぐ。
 延長理由について、広報部門の山田悠朱里(ゆかり)さん(27)は「被災地はインフラを中心に再生しつつあるが、生活や人間の復興はまだ途上だ」と説明。「いかに被災地に寄り添った、息の長い支援ができるかがポイント。変化する被災地に柔軟に対応し、アサヒグループらしい支援に取り組みたい」と語る。
 経団連の社会貢献活動実績調査によると、回答企業の約7割に当たる251社が16年度、震災復興に関する支援の実績や予定があると答えた。長期的な復興支援を社会貢献の一分野に位置付ける企業が多いことがうかがえる。
 高浦康有・東北大大学院経済学研究科准教授は「企業は、株主に説明できる投資効果が絶えず求められる以上、したたかな経営戦略もある。東北の被災地とつながり、支援を続ける意義をどう見いだすかが課題だ」と指摘した。


2017年01月06日金曜日


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