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<山形知事選>吉村氏2期目の総括必要

 5日告示の山形県知事選で、現職の吉村美栄子氏(65)が前回に続く無投票で3選された。吉村県政に批判的な県議会最大会派の自民党が昨年11月に独自候補を断念した段階で選挙戦の可能性は消え、県政の針路を決める4年に1度の政策論争の機会は失われた。
 前回2013年の知事選で、自民は所属県議32人のうち22人が吉村氏を支援した。今回は一転、独自候補擁立を目指したが、昨年7月の参院選で党公認候補が野党統一候補に惨敗。想定が狂い始めた。
 吉村氏は同9月に立候補を表明した。吉村氏優位の情勢下、昨秋以降、一時強まった衆院の解散風が追い打ちを掛ける。知事選と衆院選が重なれば、吉村氏に近い民進党が勢いづくことが予想された。相次ぐ誤算に自民の主戦論は揺らぎ、独自候補の芽は断たれた。
 吉村氏は3選に向け、周到に準備を進めた。二階俊博自民党幹事長ら政府与党の中枢に接近し、県連の「政府与党とパイプがない」との批判をかわした。駆け引きは奏功し、3選を一気にたぐり寄せた。
 吉村陣営内には「2期8年の実績が評価された結果」と無投票を肯定する声もあるが、2回続けて選挙の洗礼を受けていない現実を忘れるべきではない。
 昨年12月末の記者会見で、吉村氏は自ら設定した公約の目標数値の算定根拠を答えられなかった。リーダーが公約を理解していなければ、説得力を失うことは自明だ。そもそも吉村氏は、2期目の公約の達成状況を総括していない。目標に届かなかった項目を検証し、有権者に説明する謙虚な姿勢が必要だろう。
 政治的な駆け引きの末の無投票3選であるからこそ、吉村氏には有権者の目線に立った政策の説明と展開が求められる。(解説=山形総局・宮崎伸一)


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2017年01月06日金曜日


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