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<インバウンド>福島「日本の原風景」が人気

奥会津の山並みと只見川、只見線の橋を背に記念写真を撮る台湾からの観光客。最近は日本人旅行者も増えている=2016年12月、福島県三島町

 福島県三島町に外国人観光客に人気の場所がある。国道252号沿いにある道の駅「尾瀬街道みしま宿」の近く。奥会津の山並みと只見川、そしてJR只見線の橋を見渡せる絶景ポイントだ。
 昨年12月上旬、紅葉はとっくに終わっているのに、現地には台湾やマカオからの男女5人が来ていた。
 列車が通過する。その瞬間、一斉にカメラのシャッターを切る。マカオの大学生ベン・ホワンさん(25)は「列車が橋を走る光景が美しい」と笑顔を見せた。
 外国人が目立ち始めたのは約2年前。三島町にある第1只見川橋梁(きょうりょう)の冬景色を撮影した写真が中国のウェブサイトに紹介された。瞬く間に「世界で最もロマンチックな鉄道」と会員制交流サイト(SNS)で拡散された。昨年の紅葉シーズンは連日、外国人客でにぎわった。
 奥会津の7町村でつくる只見川電源流域振興協議会の斎藤光事務局次長は「鉄道と山と川のコントラストが魅力。あまり人の手が加わっていない自然の風景が郷愁を感じさせるのではないか」と推測する。
 協議会も誘客に本格的に乗り出した。英語、中国語、ハングル、タイ語のガイドブックや、外国語で観光地を紹介するホームページ(HP)を作った。各国の商談会に参加して売り込むほか、中国の富裕層向けの雑誌社を招いた取材企画も展開している。
 地元旅館に宿泊するケースも出てきた。三島町の宮下温泉「栄光館」は、中国人客には中国人従業員が対応。他国の客には、日本人従業員が片言の英語でコミュニケーションを取り、時には英語を話せる観光協会職員に協力を求める。
 若おかみの長峰京子さん(56)は「日本の原風景や秘境のような景色と雰囲気は外国人を引き付けると思う。宿泊客はまだ少ない。食や温泉の魅力をもっとPRしたい」と意気込む。


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2017年01月04日水曜日


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