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<CSR>企業の7割 復興支援継続

 東日本大震災からの復興に向け、大企業の7割が金銭などの寄付や、被災地での社員研修といった支援を継続していることが、経団連の2015年度社会貢献活動実績調査で分かった。復興支援を「企業の社会的責任」(CSR)と明確に位置付け、長期的な取り組みにつなげていることがうかがえる。各企業が支出した被災地支援の関連額は63億円で、11年度(860億円)の1割未満だった。減少は4年連続。
 調査によると、お金や現物の寄付、社員派遣や社会貢献プログラムなどを金額換算した支出を合わせた震災関連支出額と1社平均額の推移はグラフの通り。震災直後を含む11年度をピークに12年度は100億円台に減少。以降、毎年20億〜30億円ずつ減り続けている。
 復興支援の現状を尋ねると、72%の企業が「実績がある」と答えた。内容は社員のボランティア活動が42%で最も多く、金銭寄付の35%が続いた。
 間接支援の割合も高く、社員研修など被災者・被災地を対象とした自主プログラム(31%)、社員らを対象に被災地産品を販売する「企業マルシェ」(29%)などが目立った。
 支援内容を分野別に見ると、コミュニティー(38%)、次世代育成・教育(36%)、産業再生・雇用創出(29%)、心のケア(20%)などの順。ソフト面を中心に、生活再建から地域の再構築まで幅広い取り組みが行われている。
 経団連政治・社会本部の大山瑞江主幹は「国内外で災害が続く中、震災に高い水準で支援している。金額ベースでは減ったが、(支援内容が多岐に渡り)金に換算できない取り組みが増えている」と分析する。
 高浦康有・東北大大学院経済学研究科准教授(企業倫理・CSR)は「どんな災害でも時間がたてば寄付は減る。意外に粘り強く取り組んでいる印象がある」と評価。一方で「特に大企業はどこで支援から手を引くか決めるのは難しい。他社を意識し、惰性で支援する企業もあるのではないか。震災6年目以降は、さらに社員の顔が見える支援が求められる」と指摘した。
 震災関連を含む社会貢献活動全体の支出は1804億円。1社平均5億4000万円で、3年連続で増加している。好調な業績やCSRの浸透を背景に、バブル期の91年(5億2500万円)に並んだ。

[社会貢献活動実績調査]経団連と、経常利益や可処分所得の1%以上を社会貢献活動に充てる任意団体「1%クラブ」(東京)が91年度から毎年両会員企業を対象に実施。15年度分は16年夏、1363社・グループに聞いた。回答率は支出調査24.5%(334社・グループ)。連結対象企業を含めた約1万1700社の実績を反映しているとみられる。東日本大震災関連の特別調査の回答率は26.2%(358社・グループ)。


2017年01月06日金曜日


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