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<大川小訴訟>遺族側「大津波警報で予見できた」

 宮城県石巻市大川小の津波災害を巡る損害賠償請求訴訟で、死亡・行方不明になった児童23人の19遺族側が6日までに、「大津波警報発令時は直ちに避難することを原則とし、全国の学校防災の基礎となる判決を望む」とする控訴理由書を仙台高裁に提出した。
 骨子は表の通り。東日本大震災の2日前に津波注意報が発令された後、校長らが5メートル以上の津波を想定し対応を議論していた点を踏まえ、「震災当日に大津波警報が発令された14時52分には津波の襲来を予見できたはずだ」と主張した。
 仙台地裁判決は同小の危機管理マニュアルの不備を問題視する遺族側の主張を退けたが、遺族側は「教職員はマニュアル通りに津波情報を収集・分析する義務があった」と指摘。校内にいた教職員11人のうち、唯一生き残った男性教務主任への尋問も再度請求する方針。
 石巻市と宮城県は和解の考えを示唆したが、遺族代理人の吉岡和弘弁護士は「控訴審で勝訴判決をもらいたい」と述べ、和解に否定的な考えを示した。
 昨年10月26日の地裁判決は、津波が襲来する7分前の午後3時30分ごろに市広報車が避難を呼び掛けた時点で、教員らは大津波の襲来を予見できたと認定。「裏山への避難は何ら支障がなかった」などとして、市と県に約14億2600万円の支払いを命じた。
 判決によると、地震発生後、児童は約45分間、校庭で待機を命じられ、近くの北上川堤防付近(三角地帯、標高約7メートル)に向かう途中で津波にのまれ、児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明になった。
 市と県は「大津波の襲来を予見するのは極めて困難」などとする控訴理由書を高裁に提出している。


2017年01月07日土曜日


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