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<ほっとタイム>仲間との交流 脈々と

井戸を大切に保存する鈴木さん

◎仙台・蒲生「絆の井戸」

 「絆の井戸」と銘打ち、東日本大震災の小さなメモリアル施設となっている建物が、仙台市宮城野区蒲生の水田地帯にある。
 井戸はコメ農家鈴木英俊さん(74)が津波による塩害を受けた水田で、いち早く稲作を再開するために掘った。3年前、ヒノキ材を使った建屋で囲った。約10平方メートルの室内にはボランティアとの交流や再生までの歩みを伝える写真、記録類を展示する。
 3・11のあの日、岡田小近くの自宅には目前まで津波が押し寄せた。田んぼにヘドロが堆積し、集落の排水ポンプ場も壊れ、その年の作付けを地区全体が断念した。鈴木さんは単独で600万円かけて、地下52メートルまで井戸を掘って水源を確保した。
 「土壌を浄化し、復田に向けた指針作りになればと、震災の年から作付けした。あれほど燃えた年はなかった」。顧客への責任と農家としての気概が原動力だった。
 本年度も仲間たちと収穫祭を開催し、「絆の井戸」周辺で交流を深めた。湧き出る井戸水に倣い、脈々と活動を続けるつもりだ。(生活文化部・梅木勝)


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2017年01月07日土曜日


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