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東北を映画ロケ地に 海外売り込み活発化

ドラマの撮影を終えたタイと日本の俳優やスタッフ。街のPR効果は大きい=昨年11月、仙台市青葉区

 映画やドラマのロケを誘致する非営利組織「フィルムコミッション(FC)」の活動が東北各地で活発化している。国内向けにとどまらず、海外の注目ドラマの撮影を行政の誘客施策に結び付けたり、東北一円をカバーする共同ウェブサイトの作成を進めるなど、活動の幅は広がっている。
 仙台市で昨年11月、タイの大手民放局が7月に放映するドラマが撮影された。日タイ修好宣言から今年で130年となるのを記念する作品で、せんだい・宮城FCはロケ地の選択や視察の調整、エキストラの手配、撮影中の交通整理などで全面協力した。
 ファワット・パナンカシリ監督は「仙台のスタッフは業務に慣れていて、とてもスムーズに撮影できた」と感謝する。

<街の風景を発信>
 撮影期間中は、フォロワー(読者)数100万人以上のタイの俳優2人が写真共有アプリ「インスタグラム」に仙台の街や風景を何度も投稿。タイからの誘客増を狙う市が、インターネットで影響力の大きい俳優の起用をタイ側に要請した。
 FCは映像による地域のPRを目指す自治体の主導で、2000年代以降に全国で拡大した。東北の主なFCは地図の通り。09年にはFCの全国組織「ジャパン・フィルムコミッション」(JFC、東京)が設立され、加盟団体は現在、120団体に上る。
 東北の各FCは海外からの撮影を連携して呼び込もうと、共同ウェブサイトを2月に開設する。ロケ地が画像や感情別、拠点からの距離で選べるデータベースを英語で提供する。

<「地方に可能性」>
 サイト開設を提案した国際映像制作プロデュース会社「ジャーナル・エンターテインメント・トリビュート」(東京)は「海外の制作者に自治体の境界は関係ない。海外の撮影を呼び込むシステムを、日本でまず東北に作りたい」と話す。
 東北のFCへの評価は高く、JFCは15年に山形FCを「日本らしさをアピールする文化財の活用に挑戦した」、16年はせんだい・宮城FCを「映画の公開に合わせてさまざまなPRを展開した」などとして優秀賞に選んだ。
 せんだい・宮城FCの担当者は「都心は撮影規制が強まり、地方に可能性が出てきた。爆破などの難しい撮影の実績を重ねれば、さらに地域の知名度が増す」と強調する。


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2017年01月07日土曜日


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