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<手腕点検>財政再建で手堅さ発揮

蔵造りの旧商家で開かれた催しであいさつする佐藤町長=昨年12月11日、村田町中心部

◎2017宮城の市町村長(23)村田町 佐藤英雄町長

 昨年12月半ばに村田町中心部の蔵の町並みであった住民の交流イベント。あいさつに立った佐藤英雄町長(60)が力説した。
 「村田らしさが一番残るこの地域を生かし、外から人を呼び込み、稼げるようにしたい」

<派手な訴え嫌う>
 具体的な取り組みとして挙げたのは、まちづくり会社の設立だ。空き蔵を使った雇用の創出や観光の促進が事業の柱。年度内の設立を目指し、準備を急ぐ。
 蔵の町並みの活用は町長の看板施策。2期目の2014年9月には景観保全を目的に、国の重要伝統的建造物群保存地区への県内初の選定にもこぎ着けた。
 町産業振興課副参事を経て、07年4月の町長選で初当選し、連続3期。派手なアピールを嫌い、着実に事業を進める。町政運営について関係者は「手堅い」と口をそろえる。
 堅実さを表す数字がある。自治体収入に占める借金返済額の割合を示す実質公債費比率の推移だ。
 佐藤町長の就任前は、過去の過大な公共事業投資が響き、06年度決算が22.3%で前年度に続き県内最悪だった。就任後は財政再建に力を入れ、14年度決算でそれまで9年連続だったワーストを脱出。まだ県内で2番目に悪い数字ながら、15.3%まで改善させた。
 地道な行政運営に対し「目に見える結果を残してほしい」と不満を持つ町民もいる。
 特に批判が多いのは、町内を南北に縦断する都市計画街路「沼辺足立幹線」の整備がなかなか進まない現状だ。一部区間の完工が予定より遅れ、休眠状態の区間もあり、住民にとってもどかしい状態が続く。
 渡辺元道町議(63)は「町民は実感できる成果を求めている。変わらなければ政治とは言えない」と奮起を促す。別の町議は「調整力を中心にトップの力量が問われる課題。3期目ともなれば言い訳はできない」と今後の対応を注視する。

<誘致への努力を>
 半導体製造大手のジェイデバイスが従業員約520人の地元工場を6月までに閉鎖すると発表したこともあり、商工業にも停滞感が漂う。
 道の駅村田の小川隆秀駅長(76)は「東北道のインターチェンジがあって仙台に近い利点を生かし、工場や集客施設を誘致する努力が必要だ。町民に夢を与えてほしい」と望む。
 町は政争の激しい土地柄。1983年まで故大平良治氏が7期務めた後、3人続けて2期ごとに町長が交代。長期的な視点に立った地域づくりがしにくい状況にあったという。
 それだけに、3期目に懸ける佐藤町長の思いは強い。「2期目までは財政再建や東日本大震災からの復旧に追われた。ようやく目指すまちづくりができる」
 地域が飛躍を遂げるには、幹線道整備や企業誘致といった難題を避けては通れない。従来のイメージを打ち破るような強い実行力を打ち出せるかどうかが、今後の町政の鍵を握る。(大河原支局・柏葉竜)


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2017年01月08日日曜日


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