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<再処理工場>「合格」険しい道 申請から3年

規制委の会合で、原燃の工藤社長(左から2人目)が、同社の品質保証を巡る問題について田中委員長(同3人目)らに説明した=昨年12月14日

 日本原燃が使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の新規制基準適合性審査を原子力規制委員会に申請してから、7日で3年となった。審査は設備分野の重大事故対策を残すのみで終盤に入っている。ただ、昨年12月に原燃の品質保証を巡る問題が発覚し規制委側は不信感を募らせており、「合格」までの道のりはなお険しそうだ。

 規制委は再処理工場の審査会合を3年間で約70回開催。耐震設計の目安となる基準地震動の設定など地震・津波分野は昨年12月26日、「妥当な検討がなされた」と結論付けた。重大事故対策を中心とした設備分野も進展し、残る審査は航空機衝突などを想定した「大規模損壊」への対処など数項目だけとなっている。
 だが、昨年12月中旬、原燃が再処理工場の近くで運営するウラン濃縮工場で過去にあった低レベル放射性廃棄物の不適切保管を巡り、業務改善策が不十分なのに「改善済み」との社内評価書を作成していたことが規制委の検査で判明した。
 規制委は同14日、原子炉等規制法に基づき、1月中に原因や対策を報告するよう命令。原燃の品質保証を巡る企業体質の甘さが露呈され、審査の先行きは不透明となった。
 原燃の工藤健二社長は同日の規制委の会合で「重く受け止め、全社を挙げて対策に取り組む」と陳謝。規制委側からは「(適切な)判断能力がなぜなかったのか踏み込んで考えてほしい」「同じようなことが繰り返されているのではないか」などと企業体質への批判が相次いだ。
 規制委の田中俊一委員長も記者会見で「技術的能力という意味で品質保証は大事。(再処理工場の審査への)影響がゼロとはいえない」との見解を示した。
 原燃は当初、昨年末までに再処理工場の審査合格に必要な説明を終える目標を掲げていたが、撤回する形となった。同社は組織見直しを中心とした報告書を規制委に提出する予定で、規制委側が内容をどう評価するかが焦点となる。
 原燃は再処理工場を2018年度上期に完成させる方針。仮に新規制基準の適合性審査に合格したとしても、設備の詳細設計をまとめた工事計画の認可や、最終的な性能検査といった手続きが残っている。

[使用済み核燃料再処理工場]原発から出る使用済み核燃料から、再利用できるプルトニウムやウランを取り出す核燃料サイクル政策の中核施設。93年に着工し、完工延期が繰り返されている。取り出したプルトニウムは、ウランとの混合酸化物(MOX)燃料に加工し、国内の原発で利用する計画。


2017年01月08日日曜日


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