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<里浜写景>冬の食文化支えるハタハタ

船の明かりを頼りに、水揚げしたハタハタを仕分けする漁師たち
ハタハタの選別作業をする漁師たち=北浦漁港

 秋田の食文化に欠かせないハタハタ。師走も押し迫ったころ、漁期は終盤を迎え、男鹿市の北浦漁港で水揚げが行われていた。
 身を切るような冷たい海風が吹き付ける。漁師たちは黙々と雄雌の選別作業を続ける。躍る魚体がちょっと寂しい。
 「こんな不漁は今までなかったよ」と佐藤えみこさん(73)。この道50年以上のベテラン。かつては「ブリコ」と呼ばれる卵塊が大量に、海岸に打ち寄せられていた。浜一帯が赤茶色に染まるほどだったという。
 男鹿半島では最近も冬の保存食として親しまれている。漁港近くの食堂で「ハタハタ定食」を出していた。塩焼きとしょっつる鍋。優しい浜の味がした。
 海辺を走る道路沿いに、古びた番屋が連なる。あちらこちらの窓から、男たちが望遠鏡で海の様子をうかがっていた。海鳥の鳴き声が響く。情緒あふれる風景は今も昔も変わらない。
文と写真 写真部・長南康一

[メモ]今季の秋田県のハタハタ漁は低調。定置網などの沿岸と底引き網の沖合を合わせた漁獲枠は800トン。男鹿市沿岸を中心に水揚げは振るわず、県漁協北浦総括支所の漁獲量は80トン(昨年12月22日時点)と漁獲枠(180.2トン)の半分に満たない。


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2017年01月08日日曜日


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