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仙台城の外側の石垣 震災で崩れ放置のまま

震災などで崩れた石垣=仙台市青葉区の追廻地区

 広瀬川に面した仙台市青葉区追廻地区にある江戸期の石垣が、東日本大震災などで崩れたまま放置されている。増水時に川の流れが変わり、地盤がえぐられる危険性があるとして対岸の住民らが早期修復を要望しているが、広瀬川を管理する宮城県は消極姿勢。土地を所有する国や公園を整備予定の市も静観の構えだ。
 石垣が崩れているのは大橋から南に約200メートルの地点(地図)。約420メートル続く石垣が幅約19メートル、高さ約4メートルにわたって崩落している。以前からあった崩落箇所が震災で拡大した。
 石垣は市指定文化財「奥州仙台城絵図」(1645年)にも描かれ、仙台城と同時期の造営とみられる。場所によって石積みの工法が異なり、修復を繰り返した様子がうかがえる。市文化財課は「仙台城の最も外側の石垣で、歴史的な遺構」と評価する。
 対岸の片平地区連合町内会は、大雨による増水時に崩れた石垣で流れが変わり、片平地区の地盤が削られるのではないかと懸念。文化財保護の観点もあり、震災のあった2011年以降、関係機関に修復を要請してきた。
 しかし、崩れた石垣の周辺は国、県、市の管理が入り乱れ、責任の所在が曖昧になっているのが実情だ。
 河川を管理する県仙台土木事務所は「川の流れに影響はない。自然崖が崩れたのと同じ。現段階で対応の予定はない」。土地を所有する国は「1級河川の指定区間であり、管理は県に委ねている。法令違反がない限り県を指導する立場にない」(東北地方整備局)と話す。
 隣接地で青葉山公園の整備を予定している市は「将来的には公園整備と一体で補修したい。国や県との連携が必要」(公園課)と説明するが、追廻地区では現在も2世帯が立ち退きを拒んでおり、着工のめどが立っていない。
 連合町内会の今野均会長は「修復要請から5年以上たっている。どこでもいいから早く直して」と訴える。


2017年01月10日火曜日


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