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<奮闘お笑い芸人>常連定着 裾野広げたい

今年最初のイギナリライブ。オープニングから会場は盛り上がった=6日夜、仙台市青葉区の「桜井薬局セントラルホール」
ライブ終演後、観客とあいさつを交わすストロングスタイルの伊藤(左)と糸賀
【赤坂けーいち。】<評論家っぽい風貌 シニカルな芸風>評論家っぽい風貌から皮肉を発するシニカルな芸風。芸歴9年目の割には、ベテランじみた安定感がある。テレビドラマ「相棒」で水谷豊さん演じる杉下右京の物まね、漫談、音楽・リズム芸で引き出しを増やしてきた。発想を生かすも殺すも言葉の選び方一つと信じる。北上市出身。古里で常設のライブを催すのが夢。28歳。
【みちて】<コンビニで客観察 貪欲にネタ拾う>仙台で唯一の女性ピン芸人。小柄だが存在感があり、声もよく通る。男性陣の中でも物おじしない度胸も強み。趣味の競馬や音楽のネタをよく演じるが、詳しくない人でも楽しめるよう工夫する。宮城県美里町出身。週6日働くコンビニエンスストアでは、持ち前の観察眼で貪欲にネタを拾う。憧れる芸人は鳥居みゆきさん。22歳。

 ステージに並んだ芸人と、ほぼ満席の約140人の観客が、両肘を上げ下げして拳を突き上げた。
 「イギナリ」「ラーイブ!」
 6日夜、仙台市青葉区にある「桜井薬局セントラルホール」で今年の「IGINARI LIVE(イギナリライブ)」が開幕、オープニングから会場は熱を帯びた。

<テレビにない魅力>
 仙台を中心に活動する13組が出演。毎回、ライブでは観客投票で漫才やコントの出来を競う。
 この日の1位は東松島市出身のコンビ「ニードル」。田舎の中学生2人が仙台にやって来た「お上りさん」ネタ。エスパルを「スペシャル」と間違ったり、パルコには「1も知らねえのに、2もあんのか」などと、石垣進之介(31)に対し伊藤政仁(31)がボケを連打した。
 2位は「ストロングスタイル」。仙台市出身の伊藤隆(32)が借金を申し出る漫才。「ギャラは完全に折半なのに、一体、何に使ってんだ」と、ツッコミの糸賀清和(33)=多賀城市出身=がキレる。終盤に借金の意外な真相が明らかになり、糸賀が「今度だけだぞ」と渋く諭した。
 「テレビでは味わえない臨場感や一体感があり、終演後のロビーで芸人さんと触れ合う時間も楽しい」。2年ほど前から、同僚らとライブに通う団体職員曽根真由美(55)=泉区=は、ナマの魅力を話す。

<「場」があればこそ>
 ただ会場を見渡すと、毎回見知った顔が目立つ。芸人側も最近の観客投票上位は同じ顔触れが占める。
 2000年の初回から、ほぼ毎回出演しているピン芸人「純☆レジェンド」(37)=酒田市出身=は「継続は力で熱心なお客さんは定着したが、裾野が思うように広がらない」と言い、「芸人にも個々のキャラクターや技術をアピールする攻めの姿勢が問われる」と自戒する。
 ホールでは11年秋から毎月、落語を中心に漫才や色物も出す「魅知国(みちのく)仙台寄席」(落語芸術協会仙台事務所など主催)も定期開催する。2、3の両日にあった新春寄席は4回の公演とも満席。初売りの行き帰りに立ち寄った客は笑顔で会場を後にした。
 普段は映画館となるホールの支配人遠藤瑞知(54)は「認知度などに課題はあるが、街中に常に披露できる場があることで芸人が育っていくのだと思う」と力を込める。
 仙台では今年から、よしもとクリエイティブ・エージェンシー(大阪市)も月例ライブを開く。
 イギナリライブ終了後、ストロングスタイルの2人もロビーで観客を見送った。糸賀は舞台でのこわもて風とは打って変わり、にこやかに呼び掛けた。「次の回も待ってますよ」(敬称略)

[IGINARI LIVE(イギナリライブ)]プロダクション「ティーライズ」(仙台市青葉区)が月1回、第1金曜日に開催する。2000年に始まり、08年から桜井薬局セントラルホールが会場。観客投票で下位になると、2軍戦の「イギナリジュニアオープン」に降格し、ジュニアの上位2組と入れ替わる。


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2017年01月12日木曜日


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