宮城のニュース

東北とスマトラ 大災害の記憶アートに刻む

東北の雪をイメージしたインスタレーションをつくるアチェの若者たち=昨年12月24日(門脇さん提供)
門脇篤さん

 東日本大震災の復興支援活動を続ける仙台市青葉区の現代アート作家門脇篤さん(48)が、インドネシア・スマトラ沖地震(2004年)の津波被災地アチェ州との交流に力を入れている。昨年末には現地の若者とアートで震災の記憶を伝える取り組みに挑戦。「東北とアチェは重なり合う。交流を通じて互いの良さを見つけたい」と意気込む。

 門脇さんは親交があった東京のNPO法人「地球対話ラボ」のメンバーから被災地間交流への協力を求められたのを機に、昨年春にアチェと関わり始めた。スマトラ沖地震から丸12年となる昨年12月26日に合わせ約2週間、アチェを訪れた。
 現地では地元の若いボランティアらの協力を得て、津波で陸に打ち上げられ災害遺構となった発電船の前で、大量の白い糸を雪に見立てたインスタレーション(空間表現)を創作した。
 門脇さんは「雪は東北の象徴で、東日本大震災が起きた日にも降っていた。(津波被害という)同じ経験をした東北とアチェを結ぶ意図だった」と話す。4日間の展示期間中、多い日には1日2000人の観客が訪れたといい、「アートで震災の風化を防げるのではないか」と手応えをつかんだ。
 アチェ滞在中にはこのほか、現地の若者たちと世界中からの支援に感謝する歌「ありがとう、みんな」を制作したり、仙台市内の仮設住宅で取り組んできた懇親会「おしるこカフェ」も開催するなど交流を深めた。
 誰もが活躍できる場づくりを目指す「コミュニティーアート」という手法を使い、被災者を元気づけてきた門脇さん。「今回のアチェ訪問は種まき。今後もライフワークとして、アートを通じた実践的な交流を続けたい」と語る。


関連ページ: 宮城 社会

2017年01月13日金曜日


先頭に戻る