宮城のニュース

<手腕点検>政治家への脱皮 正念場

地盤とする地域の地場産品市に出席し、子どもの和太鼓演奏に拍手を送る大友市長=昨年12月4日、角田市東根

◎2017宮城の市町村長(24)角田市 大友喜助市長

 角田市の大友喜助市長(66)は手堅い行政運営に定評がある一方、「行政に比べ政治は不得手」と言われてきた。3期目に突入し、「賑(にぎ)わいの交流拠点施設」(道の駅)整備を中心に「大友カラー」の発揮を目指す。政治家として一皮むけることができるか、正念場を迎えている。
 市総務部長出身の大友氏は2008年の初当選後、学校耐震化や東日本大震災で被災した市民センターの改修など市政課題を着実にこなし、失点がなかった。

<危機感に磨かれ>
 市議会の柄目孝治議長(68)は「市民の声を聞く真面目さと、信念を貫く頑固さを併せ持つ。行政プロパーとしての能力は、自他ともに認めるものがある」と言う。
 ただ、柄目氏も「議会とのコミュニケーションは十分でなかった」と振り返る。指定管理者制度導入を目指した自治センター条例改正案の撤回など、議会と当局がしっくりこない場面も少なくなかった。「政治家らしくない」と言われるゆえんだ。
 3選を果たした昨年7月の市長選は、19年春開業を予定する総事業費約11億円の道の駅が最大争点になった。無投票だった4年前とは一転、部下だった元市総務部長の新人に約800票差まで詰め寄られ、大友氏後援会の菊池五郎会長(90)は「強い危機感を抱いていた。今回の選挙で政治家になった」と語る。

<人事案件で波紋>
 道の駅推進、そして議会対策の両面で市長を補佐する副市長に、大友氏が同年12月に登用したのが元市議のコンビニ店経営谷津睦夫氏(61)。民間感覚の導入で、市職員の意識改革も期待する。
 市長選で谷津氏が大友氏選対の幹事長を務めた経緯などから、市議会12月定例会では人事案件は討論をしない慣例が破られ、「選挙の論功行賞と取られかねない」と反対討論があった。
 副市長人事に反対した会派「創生会」の小湊毅会長(50)は「自分と違う立場の人の意見にも耳を傾け、まちづくりに知恵を結集させるのが政治家の役割だ。仲間内で物事を進めていないか」と指摘する。
 大友氏の初当選時からの支持者(74)は「周囲に良い人材が多かったが、市長に遠慮して物を言わなくなっている。当初の支持者が少し離れているようだ」と漏らす。
 政治家としての手腕を問う声に、大友氏は「1期目は『行政トップ』の気持ちだったが、今は政府や県への要望といった政治的行動も抵抗ない。重要政策を実現させる」と強調する。
 前年度決算ベースの市債残高は約135億円で、大友氏の就任時から約23億円増えた。道の駅の財政負担への懸念は今も根強い。市民が一丸となって、地域活性化に取り組める体制の構築が急務だ。(角田支局・会田正宣)


関連ページ: 宮城 政治・行政

2017年01月15日日曜日


先頭に戻る