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<災害公営住宅>自治会づくり 丁寧に議論

自治会設立に向け、議論を重ねる住民たち

 陸前高田市の高台に整備された岩手県内最大の災害公営住宅「県営栃ケ沢アパート」で、入居者らが自治会などの組織やルール作りを慎重に進めている。入居開始から約5カ月。役員もまだ決まらないが、住民同士が納得できる運営を続けるためには「最初が肝心」と、スピードよりも合意形成を重視する。
 災害公営住宅の集会所で昨年12月中旬、自治会設立などに関する準備委員会があった。5回目となる会合では、建物を6ブロックに分け、それぞれ事前に話し合って選考した役員候補を紹介した。
 計301戸の災害公営住宅は昨年8月に入居が始まり、216世帯が暮らす。市内各地や近隣市から集まっており、コミュニティーづくりは大きな課題だ。
 県は市、岩手大などと9〜10月、入居者の顔合わせ会をブロック単位で開催。住民約40人を委員に互選し、10月下旬に準備委で話し合いを始めた。議事録は概要版を全戸に配布する。
 これまで自治会や行政区の数、解決すべき問題、組織形態などを協議した。「早くトップを決めるべきだ」との声もあったが、一つ一つ丁寧に議論を重ねる。
 準備委員が他の住民に声を掛けて自宅で話し合うなど、知り合うきっかけにもなっている。磐井律子さん(72)は「役所主導の方が楽だけど、議論しながら苦労して決めた方が皆、納得できると思う」と話す。
 被災地では、自治会設立にはこぎ着けたが、住民間の協力関係が築けず役員が負担を抱えるケースがある。災害公営住宅は高齢化率が高く、阪神大震災から20年以上たった兵庫県内では、自治会活動が停滞している所も存在するという。
 支援する岩手大三陸復興・地域創生推進機構の船戸義和特任研究員は「まとめるのは大変だが、プロセスに意義がある。将来の土台を今、しっかりと築かなければならない」と強調する。


2017年01月15日日曜日


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