宮城のニュース

<エコラの日々>生態系を守ろう

絵・木下亜梨沙

 2匹のミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)を飼っています。飼い始めた時は手のひらにちょこんと乗って頭も小指の爪ほどだったのが、両手でないと持てないほどに育ちました。最初の1年だけで3度も飼育ケースを変えなければならないほどの勢いで大きくなっていくのにはびっくりさせられましたが、今では大事なわが家の家族です。
 寿命は30年以上、甲羅の大きさが30センチにもなるとのことなので、ペットとして面倒を見続けるには覚悟が必要です。飼う以上は最期まで責任を持つのが当然と思いますが、大きくなりすぎて飼えなくなり捨ててしまうケースが後を絶たず、池や川にすみ着いて在来の亀類や魚、水生植物などの生態系に大きな影響を及ぼしています。農作物に被害が出ているところもあり、問題になっていました。
 環境省は昨年、5年後をめどに特定外来生物に指定し、段階的に輸入や飼育、販売や保管・移動、捨てガメを規制していく対策推進プロジェクトを始動させました。現在飼育されている個体は、将来届け出が必要になるようです。
 もともと生息していなかった地域に持ち込まれた動植物・外来生物の中には、天敵がいないことなどにより急速に分布を拡大し、生態系に深刻な影響を与えるものがあります。
 例えばブラックバス。食欲旺盛で繁殖力も高く、フナやアユ、ワカサギといった在来魚や水生生物に大打撃を与えています。伊豆沼(栗原、登米両市)でもブラックバスが繁殖し、タナゴなどの生息数が100分の1まで減少しましたが、駆除に取り組むことで回復の兆しが見えてきました。
 植物でも、観賞用に輸入されたオオハンゴンソウやオオキンケイギクなどは全国的に野生化し、湿原などの在来植物を駆逐する恐れがあるとして駆除の対象となっています。栽培も禁止されていますが、知らずに栽培している人もいるようで注意が必要です。
 自然の生態系は絶妙なバランスの上に成り立っています。あるものが急激に勢力を拡大すると生存競争に敗れたものは衰退・絶滅の道をたどり、もともとあった豊かな生態系のバランスが崩れてしまいます。
 地球の豊かな環境をつくっているのは、目に見えない微生物から大型の哺乳類までの壮大な生態系。人間もその中に組み込まれていることを忘れてはならないと思います。
(ACT53仙台 木下牧子)


2017年01月16日月曜日


先頭に戻る