秋田のニュース

<この人このまち>リンゴ「紅の夢」で勝負

平良木亨(ひららぎ・とおる)1977年秋田県横手市生まれ。宮城県農業短大(現宮城大食産業学部)卒業後、実家の果樹園でリンゴのほか桃とサクランボを栽培する。

 秋田県横手市増田町の果樹農家平良木亨さん(39)は、果肉が皮と同じように赤く色づくリンゴの新品種「紅(くれない)の夢」の栽培に取り組む。秋田県内有数のリンゴ産地として紅の夢を前面に出し、全国的な知名度の向上と販路の拡大を目指す。(横手支局・目黒光彦)

◎果樹農家 平良木 亨さん(39)

 −紅の夢を知ったきっかけは。
 「2006年に参加した勉強会で、弘前大の藤崎農場(青森県藤崎町)の先生から、果肉が赤く、酸味の強い品種があると教えてもらいました。試験栽培してみないかと誘われ、育て始めました」

 −魅力は何ですか。
 「加熱すると軟らかくなり、プヨプヨとした独特の食感が楽しめます。酸味は紅玉より強いのに、甘さも十分にあり、リンゴの風味が他の品種よりも際立っているのが特長です」

 −栽培する上での苦労は。
 「表面に必ずと言っていいほどくぼみができ、見た目が悪いのが難点です。くぼみを減らそうと試行錯誤しました。完全になくすのは難しいようです。そのままむいて食べてもおいしいのですが、アップルパイやコンポート(砂糖煮)向けに加熱した方がおいしさが増すので、加工向きの品種とされています」

 −売れ行きはどうですか。
 「主に秋田県外に出荷し、中でも関西圏の有名ケーキ店向けが大半を占めます。関西地方の菓子職人は常に新しいものを求め、情報感度が高いせいでしょうか。一般的な品種より高値安定で買ってもらえます」

 −課題や目標は。
 「県南地域はリンゴの産地ながら全国的な知名度は低く、弘前市と比べると量では勝負になりません。故並木路子さんの『リンゴの唄』で有名な映画『そよかぜ』(1945年)が横手市増田町で撮影されたという事実も意外と知られていません。生産量で競うのではなく、多様な品種の産地という点で付加価値を高めていきたいです」

 −知名度向上に向けた取り組みは。
 「若手果樹農家が団結することが不可欠です。20〜30代の果樹農家6人が連携し『クッキングアップルの郷(さと)』として売り込んでいく予定です。紅の夢を皮切りに、米、英、仏、豪などで主に作られ、日本国内では流通量の少ない品種を生産し、他の産地と差別化していくのが目標です」


関連ページ: 秋田 経済

2017年01月16日月曜日


先頭に戻る